研究課題/領域番号 |
16520300
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
英語学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
西岡 宣明 九州大学, 大学院人文科学研究院, 助教授 (80198431)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2006年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
2005年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2004年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | 生成文法 / ミニマリスト・プログラム / 否定文 / Agree / PolP / 介在制約 / Po1P / 多重wh疑問文 / 文否定 / 構成素否定 / NegP / NPI / 部分否定 |
研究概要 |
本研究は、英語の否定現象を中心とする様々な文法の問題を近年の生成文法理論におけるミニマリスト・プログラムの理論的視点から考察し、問題の解決とより妥当な文法理論構築への理論的貢献を目指したものである。 英語の否定文の節構造として、近年、機能範疇NegPを動詞句(VP)と時制句(TP)の間の位置に想定する分析が主流を占めてきたが、本研究において、その理論的、経験的問題点を明らかにして、代案としてTPの上位にPolPを想定する分析の必要性と妥当性を実証した。その際の具体的な分析として、ミニマリスト・プログラムの素性照合のメカニズムであるAgree分析とそれに関する介在制約を否定現象に援用する分析を提示した。そのメカニズムにより、否定のスコープの問題、文否定と構成素否定の違い、否定対極表現の認可の問題、日本語のwh...-mo(e.g.「何をも(ない)」)の分布と認可の問題、英語の多重wh疑問文の問題が統一的に解決できることを実証した。 本研究により明らかになった以上の点と理論的貢献をまとめると、以下の通りである。 1.英語の否定文の節構造に否定機能範疇NegPを想定する従来の分析は正しくない。 2.節構造のTPの上位に機能範疇のPolの投射を想定し、文中の否定要素とPolとの統語的matching(Agree)の結果、Polが否定素性を獲得することにより否定文として認可されるとするPolP分析が妥当である。 3.PolP分析において重要な役割を果たす、Agreeと介在制約は、否定現象その他に援用可能な一般性の高いメカニズムである。 4.生成文法のミニマリスト・プログラムの理論的進展は正しい。 5.A移動に再構築はない。 6.経済性の原理に基づく随意的操作としての数量詞繰上げ(QR)は文法操作として必要である。
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