研究課題/領域番号 |
16520307
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
英語学
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研究機関 | 甲南大学 |
研究代表者 |
有村 兼彬 甲南大学, 文学部, 教授 (70068146)
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研究分担者 |
大庭 幸男 大阪大学, 大学院・文学研究科, 教授 (90108259)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 空範疇 / 遡及的動名詞 / 空演算子 / 自由関係節 / 二重目的語構文 / promise / PRO / Thematization / Extraction / 選択 / 併合(merge) / 投射 / 一致効果 / ミニマリスト・プログラム / 変項 / 照応形 / 与格構文 / 主題(theme) |
研究概要 |
本研究においては生成文法理論における中心的概念である空範疇を昨今のミニマリスト・プログラムの観点からどのように再評価することができるか考察した。有村は、The city is worth visiting twice.にみられるように、動名詞(visiting)の目的語位置に生じる空範疇が主節主語(the city)と解釈される遡及的動名詞(retroactive gerund)を考察した。このような場合、生成文法においては空演算子を想定する分析が多いが、空演算子には理論上の欠点があることから、この構文においては、演算子移動(A'移動)ではなく項移動(A移動)が関与しているものと考えた。また、有村は長年にわたって議論されてきた英語における自由関係節(free relative)に焦点を当てた。例えば、I'll buy whatever he sells.に代表される自由関係節に関する従来の分析では、自由関係詞(whatever)を演算子と捉えるうえで理論上の問題点があったことを指摘し、併合(merge)後の投射が曖昧であり得るとするChomsky(2005)の提案に若干の修正を加えることで問題を解決することができると論じた。一方、大庭は、自身が長年にわたって取り組んで来た英語の二重目的語構文の点から空範疇の問題を考察し、なかでも英語のpromiseのPROのコントロールに関する問題に取り組んだ。すなわち、John promised Mary to return home by 5.という場合、不定詞の主語であるPROは、すぐ近くにある名詞句Maryではなく、遠い方のJohnにコントロールされるという事実をOba(2005)で述べた二重目的語構文の分析から正しく予測できることを示した。
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