研究分担者 |
川添 良幸 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (30091672)
名嶋 義直 東北大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (60359552)
井口 寧 北陸先端科学技術大学院大学, 情報センター, 助教授 (90293406)
高橋 亜紀子 宮城教育大学, 教育学部, 助教授 (10333767)
小河原 義朗 独立行政法人国立国語研究所, 日本語教育部門, 研究員 (70302065)
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研究概要 |
本研究の目的は,スクーリングなどのない完全な遠隔環境での日本語学習において,有効に機能する日本語学習支援システムの条件を明確にすることにある。遠隔環境での学習の場合,特に,学習動機・学習意欲の保持を支援する方策に工夫の力点を置く必要があり,本研究では,モノメディアからマルチメディアまでの多元メディアをどのように配置・利用するかを通して,有効な支援方策を求めようとしている。 インターネット上には,日本語学習機会を提供するさまざまなサイトや教材が数多く存在するが,独力で日本語を学ぼうとする場合,自由にアクセスできる良質の教材は,まだ充分とは言いがたい。そこで,16年度には,どのレベルの学習者にとっても必要性のある発音学習モジュールのプロトタイプ開発を行い,初級の自己紹介教材に盛り込んでみた。学習者からはよい評価を得たが,新たに遠隔環境を意識して教材開発を行うのであれば,量的・質的にまだ貧しい,初級以降の,使用目的を絞った教材のほうが社会的貢献になると考え,17年度は,世界的な学習者こニーズも踏まえて,ビジネス場面を意識しながら,初級・中級・上級に対応するロールプレイ練習教材を開発した。 この教材は,ウェブ上に置かれたビデオ映像を利用してロールプレイ練習を行うものである。とかく受身になりがちな遠隔日本語学習の機会を少しでも双方向的にするべく,ロールプレイの途中で学習者に2つの選択肢のどちらを選ぶかを尋ねる質問を組み込み,コースウェアに若干の双方向性を持たせた。初級者向けの学校環境での依頼の会話から,語彙も表現もビジネスに特化した中級後半から上級向けの交渉場面まで,難易度の異なるロールプレイをそろえ,花粉症をめぐる現代日本の文化情報も盛り込んだ。学習者の選択によって会話の流れが変化する本教材は,遠隔学習環境において,現実場面に近い練習機会を提供するものと言える。
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