研究課題/領域番号 |
16520313
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
日本語教育
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研究機関 | 名古屋大学 (2006) 筑波大学 (2004-2005) |
研究代表者 |
衣川 隆生 名古屋大学, 留学生センター, 助教授 (30282289)
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研究分担者 |
西村 よしみ 筑波大学, 大学院人文社会科学研究科, 教授 (40208228)
小野 正樹 筑波大学, 大学院人文社会科学研究科, 講師 (10302340)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 日本語学習者 / 作文 / 評価 / アイデア・ユニット / JSL / 量的指標 / 重回帰分析 / T-Unit / I-Unit |
研究概要 |
本研究においてはJSLの作文を分析的・客観的に評価するための量的指標を機械的に抽出するための、電算処理プログラムの精度を高め、その妥当性を検証した。2000年度1学期のPlacement TestでJSLが書いた作文107を標本として分析が行われた。まず、標本から字数、文数などの変数の統計量が抽出され、次に、その統計量を説明変数、経験を積んだ採点者の採点結果を基準変数として重回帰分析が行われ、予測式が算出された。その結果、以下の点が明らかとなった。1)字数、名詞数、漢字数、動詞数の順に、基準変数に強い影響を及ぼしていること、2)字数、漢字数、動詞数は得点に対してプラスの影響があること、3)名詞数は得点に対してマイナスの影響があること、4)説明変数から基準変数である評価得点を予測、説明しうる説明率は73%であること。 さらに、予測式の妥当性を検証するため、2000年度2学期、3学期のPlacement testで課した説明文課題を利用し、経験を積んだ採点者の採点結果と予測結果の間の相関を検定した。その結果、予測式から算出される得点予測は、経験を積んだ採点者の採点結果とほぼ同等の結果を予測することが明らかとなった。 また、単位認定の信頼性と妥当性を検討することを目的として、アイデア・ユニットの評定者間における単位認定の信頼性と基準関連妥当性を検討した。まず、アイデア・ユニットを「1つの述語と1つ以上の変項からなる陳述の最小単位」と定義し、先行研究における使用目的と分節化に際しての課題を検討した。その結果、アイデア・ユニットは、記憶表象の量と傾向を推測するために用いられている場合と、言語資料に含まれている情報量とその傾向を測定するために用いられていることが明らかとなった。そして、分節化の基準の詳細が示されていないために生じる信頼性の低下、命題、アイデア・ユニットの操作的定義が異なるために生じる一般化の困難さ、測定目的に合っていない単位使用例を課題として指摘した。本稿後半においては、JL2が実際に産出した言語資料を分析することにより、アイデア・ユニット分節化の信頼性とアイデア・ユニットが測定するものの基準関連妥当性を検討した。その結果、JL2の産出した言語資料であっても、先行研究の分節の基準を用いることで信頼度の高い分節が行えることが示された。また、「情報的な内容」を示すアイデア・ユニットの量は、JL2の作文の「内容」を測定する指標となる可能性が示唆された。
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