研究課題/領域番号 |
16520374
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
史学一般
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
保坂 高殿 千葉大学, 文学部, 助教授 (30251193)
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研究分担者 |
和泉 ちえ 千葉大学, 文学部, 助教授 (70301091)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2005年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | キリスト教迫害 / 伝統主義 / デキウス / 相互授受思想 / 民間信仰 / ローマ帝国 / 不敬罪 / ピタゴラス / キリスト教 / ローマ / デキウス・ウァレリアヌス / 迫害 / ヘレニズム / プラトン / 古代地中海文化圏 / ローマ帝政初期 / 宗教政策 / 死生観 / ソクラテス裁判 / 天文学・幾何学 / 民主政 / アテナイ / ペリクレス / 自然学的無神論 / 敬虔 |
研究概要 |
本研究においては、古典期アテナイ、共和政末期から帝政初期にかけてのローマ、そしてユダヤ人およびキリスト教会の伝統主義がそれぞれどのような歴史的経緯で形成し、その後、特に文化的混淆と相互干渉が顕著な形で現れた帝政後期に至ってどのような展開を見せたのか、その各々の伝統主義の変容に関する基礎的データを収集し、一定の見取り図を作成することができた。 1.社会集団に対するアテナイとローマの対処姿勢における顕著な対照性の原因を探るべく、双方の伝統主義の成立過程を精査した結果、前者の伝統主義成立には多分に政治的動機が、後者のそれには民族的同一性意識を形成する文化的動機が深く関与することが判明した。したがって異質文化に対する前五世紀後半アテナイの弾圧の激しさと不寛容さは、当時の政治力学を反映する一時的なものにすぎず、長期間に渡り継承されることはなかった。 2.それに対し共和政末期にヘレニズム化に対する反動として生まれたローマの伝統主義は多分に文化的動機に起因するため、異文化に対する弾圧は外観上は穏健な形態をとり、帝国の広域支配という現実も手伝って実質的に寛容であり続けたが、それは民族的同一性意識を規定する通奏低音として長く彼らの意識下に留まった。この点は1世紀から4世紀にかけての帝国のキリスト教迫害においても確認された。 3.一方ユダヤ・キリスト教の伝統主義も第一義的には文化的に規定されていたため、大迫害後の帝国と教会の接近時代においても両者の関係に実質的変化はなく、対立は継続された。ただし民間では文化的混淆が進捗し、双方の指導者は文化的異物の峻別に尽力するも成功せず、時代は"異教的中世"へと突入する。 4.上記の各々の文脈が描出する伝統主義の変容の軌跡は、学問技芸の受容という側面においても相似形を呈することが確認された。前五世紀後半アテナイにおける自然探求の受容を巡る諸問題、ヘレニズム期アレクサンドリアおよびローマ帝政期におけるギリシア的普遍教養の具体的変容に焦点をあて、古典古代世界の伝統主義の変容に関する個別的例証を提示した。
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