研究課題/領域番号 |
16520378
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
史学一般
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研究機関 | 立命館アジア太平洋大学 |
研究代表者 |
金 賛會 立命館アジア太平洋大学, アジア太平洋マネジメント学部, 教授 (00331124)
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研究分担者 |
木村 一信 立命館大学, 文学部, 教授 (20105365)
真下 厚 立命館大学, 文学部, 教授 (50209425)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2004年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 臼杵石仏 / 真名野長者 / 未多王 / 牟田 / 薯童 / 炭焼長者 / 麻那 / 東城王 / 蓮城寺 / 末多王 / 真名 / 武王 / 真名町長者伝説 / 末多王伝説 / 炭焼き / 鋳物師 / 鍛冶屋 |
研究概要 |
本研究は、日本の国宝臼杵石仏の真名野長者伝説と韓国の国宝弥勒寺址石塔の末多王伝説との歴史的比較研究を具体的に試みたものでる。研究結果をまとめれば次のようである。 (1)韓国の「末多王伝説」と日本の「真名野長者伝説」を総合的に検討し、「真名野長者伝説」に比べ、「末多王伝説」はその主人公の王権神話を志向したため、主人公末多王の神秘的出生が強調されており、日本の場合、三輪明神が登場しており、この物語と深く関わった三輪(大神)氏が重要な存在として浮上してきた。 (2)韓国の「末多王伝説」の主人公「薯童」は、なぜ「真名野長者伝説」のように炭焼きを職業とせず、「薯童」となっているのかを検討してみた。大分県宇佐などでは炭をイモジと言い、「イモヅル」とか「金ヅル」という言葉は、鉱山師が使う隠語であったことから考えると、韓国の薯童も単なる薯掘の童ではなく、炭を焼いて鉄を製錬する鋳物師・鍛冶族であったことを明らかにした。 (3)「末多王伝説」の主人公・末多王は、『日本書紀』によれば、筑紫国(九州)から朝鮮半島に渡って百済王になったと記されている。末多王は百済の東城王のことであり、彼の異称は「牟大」などと表れており、任那系統の牟氏族である可能性を提示した。九州には今でも牟田の地名がたくさん残っているように、当時、九州は牟氏族の本拠地であり、真名は実在した人物で『日本書紀』の武烈天皇五年条に見える「麻那王」と同一人物であり、その「麻那王」は東城王の息子であり、政権争いに敗れ、大分に移り住み、それによって真名野長者伝説の原型も一緒に運ばれたことを究明した。 最後に本研究がきっかけとなり、大分県豊後大野市と韓国全羅北道益山市が2005年8月に友好交流協定を結んだ。韓国からの研究者・祭りへの相互訪問、研究会組織、伝説に因んだ商品開発など、日韓交流のブームがまきおこっていることはこの研究の重要性と意義が証明されたことであろう。
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