研究実績の概要 1.合衆国公文書館(カレッジ・パーク)、カール・ムント記念図書館、ハーバート・フーバー大統領図書館、ヒストリー・サンノゼからアーカイヴ資料を取り寄せ、分析した。 2.フーバー大統領図書館、ヒストリー・サンノゼ、日系アメリカ人記念館を訪ね、関連資料を収集した。 その結果次の知見が得られた。 1)日本テレビ放送網の着想を得たとされる皆川芳蔵とラジオの父リー・ドゥフォレストの接点はアーカイヴ資料からは確認されなかった。 2)日本テレビ放送網の設立は、アメリカが外交・情報政策の一環と位置づけられ、国務省などの政府機関、上院外交委員会、ジャパン・ロービーなどの民間団体、RCA、フィリップス、フィルコなどのテレビ・通信産業などが関わっていたことがわかった。 3)日本テレビ放送網は、合衆国が計画する世界統一基準による新米イデオロギー宣伝テレビ放送網の一部として、現在のような東京一局ではなく、日本各地に直営局を持つ放送網として計画された。 4)日本に対する再軍備の圧力が強まるにつれてレーダーやマイクロ高速通信回線などを含む多重軍事通信としての性格を帯びていったが、このために政府上層部にかえって警戒され、これを支援していた吉田政権の終焉とともに1954年12月国会で葬り去られた。 以上の成果を踏まえてさらに研究を進めていく。
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