研究課題/領域番号 |
16520409
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
日本史
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研究機関 | 首都大学東京 (2005-2007) 東京都立短期大学 (2004) |
研究代表者 |
國 雄行 首都大学東京, 都市教養学部, 准教授 (60234457)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,050千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 150千円)
2007年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2006年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2005年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 西洋農業 / 勧農政策 / 大蔵省 / 民部省 / 開墾政策 / 士族授産 / 荒蕪地払下 / 官林払い下げ / 井上馨 / 東北開墾 / 官林払下 / 大隈重信 / 泰西農法 / 農区 / 洋式農具 / 農商務省 / 殖産興業政策 / 農会 / 官営農場 / 様式農具 |
研究概要 |
本研究の目的は、近代日本において西洋農業がどのように導入され、そして定着していくか研究することであった。しかし、研究前半の西洋農業導入過程の分析の際、膨大な資料と新たな事実が判明し、この解明に時間をかけた結果、研究目的の一つである、西洋農業の定着過程の分析には着手することができなかった。この点に関しては、今後、究明していくこととする。 西洋農業の導入過程の分析では、大きく分けて三つの成果を上げた。第一に西洋農業が導入される契機となった、明治初期民部省の勧農(開墾)政策を、開墾を中心に分析したことである。この結果、民部省前期の開墾政策は、治安維持という緊急性を帯びていたため性急で正確さを欠いており、後期の開墾政策では、士族の禄制改革進行により士族開墾が重要視され、これを援助するために欧米農業の試験的導入がはじめられたことを明らかにした。 第二は、従来、明治初期の大蔵省では、目立った勧農政策が行われていないといわれてきた点を考察した。その結果、明治初年、政府は士族の東北開墾を構想したが、明治4年8月以後、これをストップし、荒蕪地・官林の払下をはじめた。しかし、士族の開墾構想を廃案にしたのではなく、政府は厳しい財政状況下、費用が嵩む開墾に着手できなかっただけで、荒蕪地・官林の払下代金で開墾資金を貯蓄した。そして本資金は農業留学生費と農業試験場経費に使用されたことを明らかにした。 第三に、西洋農法の導入過程において、東洋農法はどのように扱われたのかという点について、清国人お雇い教師に視点をあてた。その結果、清国人教師は風土に共通点があること、低コストであることから招聘された点を明らかにした。しかし、事業は失敗した。 以上のように、西洋農業の導入過程の研究も、まだ十分尽くしたとは言い難いが、明治初期の勧農政策について、従来スポットが当てられてこなかった民部・大蔵省期の政策を明らかにした意義は重要であると思われる。
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