研究課題/領域番号 |
16520436
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
西洋史
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
徳橋 曜 富山大学, 人間発達科学部, 教授 (30242473)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
2,490千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 90千円)
2007年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2006年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2005年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | フィレンツェ / 領域支配 / 共和政理念 / 政治の場 / 書記局 / 公証人 / コムーネ自治 / 都市条例 / アレッツォ / 共和国理念 / 都市条令 / cinque conservatori / ius statuendi / ディストレット / インペリウム / Cinque conservatori / コンタード / 中世末 |
研究概要 |
4年間の研究期間において、フィレンツェ国立文書館所蔵の史料群を中心に古文書の調査を行った。これによって、フィレンツーェ共和国の領域行政において、行政官として派遣されるフィレンツェ人の私的な人脈が有効に機能しえたこと、その人脈と担当部局の公的対処が連関していることが確認された。さらに、共和国政府の領域支配の意識に着目し、条例認証のシステムを手がかりとしてこれを検証した。その結果、領域行政のあり方とその意識が14世紀末から15世紀初頭に大きく変わった可能性を指摘することができた。即ち、1380年代から始まる領域行政の「改革」(riformagione)を通した領域共同体の法改変とその認証の記録の存在から、領域に自治権を認めながら、実はこれを法的に管理できた領域行政の実態を明らかにした。また、コンタード・領域監督五人委員会から従属共同体への指示や、従属共同体からの要請に対する同委員会の対応からは、個々の共同体が抱えていた問題の実態と、フィレンツェ側の具体的対応は必ずしも明確にはならなかったが、フィレンツェと領域共同体との行政的結びつきは、かなりの程度までシステマティックに設定されており、少なくとも14世紀末からはフィレンツェの支配が一定の集権的志向を持っていたと結論できた。この結論を補完するために在地史料の存在をアレッツォ国立文書館で調査し、条例制定とその認証にフィレンツェ当局が深く関与していることが明らかになると同時に、フィレンツェ行政府であるプリオーレのイニシアティヴが確認された。そこから領域行政に関わる書記局とその公証人の役割の重要性が認識されたため、改めて公証人の社会的機能や立場を考察し、その結果を発表した。以上のように14世紀末から15世紀初頭におけるフィレンツェの領域行政構造の変化から、領域国家としてのフィレンツェ共和国の性格を整理することができた。
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