研究課題/領域番号 |
16520486
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
人文地理学
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研究機関 | 大阪外国語大学 |
研究代表者 |
高山 正樹 大阪外国語大学, 外国語学部, 教授 (00226937)
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研究分担者 |
野村 茂治 大阪外国語大学, 外国語学部, 教授 (10135288)
XU Weidong 大阪外国語大学, 外国語学部, 助教授 (10263344)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2005年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2004年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | アジアの大都市 / 人口高齢化 / 高齢者施策 / 都市化 / 都市経済構造 / 女性の労働参加率 / 産業構造変化 |
研究概要 |
アジアの大都市における人口高齢化が、予想以上の速さで進んでいることが、各国のセンサス統計から確認された。人口高齢化は出生率低下現象と裏表の関係にある。出生率低下の背景には、家族の意味や女性の家庭での役割の変化が関わっている。女性が社会進出するにつれて、家事・子育て・老親の世話などは、アジアの各都市でも市場に任せられるようになってきているが、そのような施設はまだ不十分といえよう。アジア的文化の特徴として、女性の社会進出に対して全面的に肯定的な見方が必ずしも受け入られているわけではない。親孝行の概念も根強く残っていると考えられる。 こうした状況の中で、本研究はアジアの大都市(特に、シンガポール、香港、上海を研究地域とした)が人口高齢化にどのように取り組んでいるか、地理学的、社会学的、経済的観点から考察を加えた。 各都市はそれぞれの特徴に基づいた家族政策や高齢者施作を進めている。高齢者扶養を家族に委ねることが、各都市とも限界に達しつつある。今後は高齢者福祉の分野にも民間の活力を利用することが期待される。その結果として、都市の就業構造や産業構造の再編も不可欠になってくる。さらに、人口減少社会において、高齢者をいかに活用するかも重要な柱になってくるであろう。 もちろん、都市経済構造の変容は国民経済構造の中で顕在化しているが、都市圏内では、同時に人口の都市内移動に基づく地域構造変化が現れていることは注目してよい。つまり、都心やインナーシティに高齢者の割合が高いことや、郊外の住宅団地は近い将来高齢化したコミュニティが形成される可能性が高い。この点は高齢者の今後の生活様式と関連しており、日本の都市圏の状況とも共通しる課題である。その際、如何にコミュニティを形成するべきかは、理想的な高齢社会を形成する上で重要な課題となっている。
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