研究概要 |
この3年間の研究は次の3つに分けられる。 1 インドネシアでの現地調査 16年度は西スマトラ州におけるアブラヤシ農園開発と慣習的土地権紛争の問題を調査した。1980年以降インドネシアではアブラヤシ農園開発が急速に行われていて、それが97〜98年の大規模山火事につながったが、農園開発に伴う強権的な土地収用、安易な森林伐採と焼却は98年以降も大きくは変わらない。西スマトラではミナンカバウ社会の共有地を開発業者と地域の有力者とのボス交渉で共有地が開発の対象にされ、慣習村成員の激しい反対運動を引き起こし、それに暴力的な対応をしている実態を詳しく分析した。17年度は、毎年森林火災を繰り返すリアウ州でのアブラヤシ開発の実態を、内陸部と泥炭湿地帯の二か所で検討した。18年度は西スマトラで再調査した。 2 文献研究 調査地で収集した一次資料や英語、インドネシア語での文献の整理、分析を行った。 3 成果の発表 英文の論文一点、日本語での短評二点を執筆した。学会発表1回、市民講座での発表1回、それに、2007年9月イタリアでの国際学会で報告を予定している。 さらに、ポストコロニアル・ディスコースの理論的な研究として、Ann Laura Stoler, Capitalism and Confrontation in Sumatran Plantation Belt, 1870-1979, 1995(2<^nd> Edition), University of Michigan Pressの翻訳をおこない、『プランテーションの社会史--デリ、1880-1979』法政大学出版局、として2007年7月に刊行予定。
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