研究課題/領域番号 |
16520512
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
文化人類学・民俗学
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研究機関 | 中京大学 |
研究代表者 |
川田 牧人 中京大学, 社会学部, 助教授 (30260110)
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研究分担者 |
関 一敏 九州大学, 大学院・人間環境学研究院, 教授 (50179321)
白川 千尋 国立民族学博物館, 先端人類学研究部, 助教授 (60319994)
津村 文彦 福井県立大学, 学術教養センター, 講師 (40363882)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2005年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2004年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 呪術 / 医療 / 科学 / 合理性 / 因果論 / 「モダニティ論」 / 理解 / モダニティ論 |
研究概要 |
本研究の目的は、邪術や妖術などの呪術的諸実践について、東南アジアおよびオセアニアにおける地域的ひろがりと多様性を比較検討ならびに理論化することである。本研究で「呪術的諸実践」と称するのは、妖術や邪術をふくむ諸実践の総体である。その解明のための課題として、(1)東南アジア・オセアニアという地域的ひろがりのもとで、呪術的諸実践の多様性と共有概念を探り、アフリカやヨーロッパなど他地域における呪術研究との比較考察への可能性を開くこと、(2)「辺境の知識1としての呪術ではなく、片側では宗教という観念世界と、またもう一方では医療などの科学的知識との併存状況を生きている知識状況として捉え、当該社会の概念枠組を照射すること、(3)人類学者が自文化で運用する「呪術」「科学」等の概念が反映されたものとしての呪術的諸実践研究の被拘束性を解明し、人類学的思考そのものの生成を捉えること、の三点に取り組んだ、本研究は当初、東南アジア・オセアニア地域から、アフリカを中心とした呪術研究とりわけ「呪術のモダニティ論」を捉え直すことから出発したが、モダニティ論は呪術が社会のなかでいかに作用するかというある種の機能論であることを見出すにいたり、むしろ呪術の内実そのものを論じることへシフトした。そこから抽出されたのは「知識/行為」、「伝統/近代」、「科学/非科学(日常)」といったさまざまな二極のあいだを揺れ動いたり緩やかに連接したりする呪術的諸実践の基本的性格であった。このような性格の本源を人間の<理解>能力にもとめ、半信半疑にであれ実践に向かう<半理解>、否定や拒絶を伴いながらも実践に取り込まれていく<反理解>といったさまざまな理解の様態を議論するにいたった。
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