研究課題
基盤研究(C)
(1)ポスト社会主義の法システム形成に影響を及ぼす側(国際的要因)と影響を受ける側との関係について、双方における多元性を考慮しつつ、<超国家的な地域的法共同体のメンバーシップ実現型>、<資金協力のコンディショナリティ型>、<知的交流型>という3つの類型を析出した。そのうえで、ポーランドとロシアの異同を整理した。(2)それぞれの類型の事例研究として、<超国家的な地域的法共同体のメンバーシップ実現型>については欧州評議会および欧州人権裁判所、<資金協力のコンディショナリティ型>については年金改革、<知的交流型>についてはいわゆる「パーセント法」をポーランドに則して検討した。(3)<超国家的な地域的法共同体のメンバーシップ実現型>については、さらに、その典型例である欧州連合への加盟問題を取り上げ、とくに、この問題が惹起したポーランド憲法上の諸問題について、憲法法廷の判決を含めて立ち入った検討を加えた。また、ポーランドが、欧州連合加盟国として、逆にEU法に影響を及ぼす側に立った最初の事例として、欧州憲法条約をめぐる言説を分析した。(4)ポーランドとロシアを念頭に置きつつ本研究が提示した法システム再構築の分析モデルと国際的な影響関係の類型は、アジア法整備支援をヨーロッパの経験と比較しつつ分析するさいの手がかりとして利用することができると考える。
すべて 2006 2005
すべて 雑誌論文 (10件) 学会発表 (1件) 図書 (2件)
レファレンス 第653号
ページ: 79-113
40006859485
広渡清吾編『小田中聰樹先生古稀記念論文集民主主義法学の展望・下巻』日本評論社
ページ: 463-487
森井裕一編『国際関係の中の拡大EU』信山社
ページ: 251-283
Reference No.653
HIROWATARI Seigo(ed.), Perspectives of Democratic Legal Studies Nihon Hyoron-sha Vol.2
MORII Yuichi(ed.), EU Enlargement in the International Relationship, Shinzansha
小田中聰樹先生古稀記念論文集 民主主義法学・刑事法学の展望・下巻(広渡清吾他編)(日本評論社)
国際関係の中の拡大EU(森井裕一編)(信山社)
レファレンス 第653号(発表予定)