研究課題/領域番号 |
16530039
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会法学
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
鈴木 博人 中央大学, 法学部, 教授 (90235995)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2006年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2005年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2004年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 養子縁組 / 養子縁組斡旋法 / 児童ならびに少年援助法 / パーマネンシープランニング / 児童福祉法 / パーマネンシー / 里親制度 / 養子制度 / 親権 / 要養護児童 / 児童ならびに少年援助法(KJHG) / 援助計画 / 里親 / 里子 / 後見 / 職務後見 / 監護権 / 親権制度 |
研究概要 |
本研究の研究テーマからして最も重要なのは、子どもの時間感覚の尊重と要保護児童への永続的な家庭の確保である。まず考えられねばならないのは実親家庭への家庭復帰である。この家庭復帰が実親の事情により不可能となるときにどうするかということが本研究の主要課題である。平成16年度においては日本の里親制度についての検証を中心的に行った。平成17年度はドイツ・デュッセルドルフ市ならびにメーンヒェングラードバッハ市の家庭裁判所や少年局での聞取り調査を行った。 最終年度で、それまでの両年度の研究の総括として安定的で永続的な家庭(子にとっての特定の大人との愛着関係)の構築をどのように行うかということを明らかにすることとなった。以上の視点からすると、最初に考えられねばならないのは養子制度である。本研究の最終的な結論としては、福祉型の養子縁組が、子の保護を起点として児童福祉法制(児童福祉法と養子縁組斡旋法)と民法の養子法とのなかでどのように進められていくべきかを明らかにした。このような制度設計になっていない日本法においては、そもそも養子縁組斡旋法が存在しない。そこで、本研究において一貫して比較法の対象としているドイツの上記法制度をモデルにするべく、ドイツでの児童福祉法制と民法との関連を養子縁組について明らかにした。これは、民法と児童福祉法という私法と社会法・行政法によって子の福祉を図るという基本構造が、日本法と類似しているゆえに、今後の日本における制度設計を考えていくうえできわめて有益であると考えたためである。日本法とドイツ法の基本構造は類似しているとはいえ、民法と児童福祉法を密接に連携させて、子の福祉・子の権利を確保していかなくてはならないという認識がドイツ法においては十分もたれているのに対して、日本法ではその認識がほとんどもたれていないという大きな違いがある。 以上のような前提を踏まえて、要保護児童の時間感覚を尊重して養子縁組手続が構築されているかをドイツ法について明らかにしたのが本研究の研究成果である。具体的には、養子縁組の前段階で児童ならびに少年援助法(日本でいうならば児童福祉法に該当する)と養子縁組斡旋法がどのような役割分担をしているのか、そして、これらの法律からどの時点から子の処遇(養子縁組)が民法に移されていくのか、それを福祉当局(少年局)や裁判所がどのようにフォローしていくのかを明らかにした。
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