研究課題/領域番号 |
16530043
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
刑事法学
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
鯰越 溢弘 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 教授 (80037085)
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研究分担者 |
稲田 隆司 熊本大学, 法学部, 教授 (30284730)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2006年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 裁判員制度 / 公判前整理手続 / 証拠開示 / 訴因 / 証拠 / 改正刑事訴訟法 / 弁護制度 / 検察制度 / 訴因制度 / 国際研究者交流 / イギリス |
研究概要 |
裁判員裁判の円滑な実施のためには、公判前整理手続において、訴因の明確化・変更、証拠の開示を踏まえて争点を整理しておくことが必要であり、公判前整理手続の充実が、裁判員裁判の正否の鍵を握っているという観点から本研究を行ってきた。公判前整理手続は、平成17年11月から、各単位庁で施行されてきたが、その実施状況(件数・内容)については、制度開始直後には、法曹三者の間の認識の違いから多少の混乱がみられたが、次第に定着をみせている。しかしながら、弁護士と検察官の間には、証拠開示に関して、依然として対立が存在している。特に、刑事訴訟法第299条の下で開示されていた捜査官の捜査報告書を巡って、それは捜査官のメモであって証拠ではないので開示の対象とはならないという検察側の主張と捜査官のメモであってもその内容が事実認定の基礎となるか又は特定の検察官請求証拠の信用性を判断する基礎となりうる資料であれば開示の対象となるとする弁護側の主張が対立しており、裁判所に裁定を求める例も増えてきた。裁判所の判断は、捜査報告書は、開示対象とはならないという判断を示した例が多いが、その理由付けには、若干の疑問がある。今後の判例の積み重ねが必要であろう。また、理論的な問題としては、刑事訴訟法316条の14以下の公判前整理手続における証拠開示と刑事訴訟法299条における証拠開示が並立する状態にある。裁判員裁判に付される事件に関しては、公判前整理手続が必要的な手続であるが、公判前整理手続は、決定でその他の事件にも適用可能であり、現在行われている公判前整理手続の多くは裁判員裁判の対象とはならない事件である。その関係を理論的に整理する必要がある。また、公判前整理手続においては、検察官のみならず、被告人・弁護人も主張を明示して証拠開示を行う必要があるが、公判前整理手続の主宰者が受訴裁判所であることから、裁判所と裁判員の情報ギャップの問題が指摘されている。このような問題について、下記の論文で明らかにすると共に、日弁連での検討会、新潟弁護士会での研修会で述べてきた。後者においては、報告者を務めた。更に、イギリス・フランス・ドイツを訪問して、公判前整理手続に関する情報収集と比較法的研究を行った。ドイツ・フランスは、糺問主義・職権主義の訴訟構造と取っているために、イギリスの制度を研究することが、最も多くの示唆を得られるという結論に達した。また、・ミュンスター大学で講演を行った。
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