研究課題
基盤研究(C)
本研究は、東中欧諸国(ハプスブルク君主国とその継承諸国を中心とする)の歴史を政治学的に分析する幾つかの方図を探り、これを通して現代政治学がこれまでに描いてきたヨーロッパ全体の歴史像に当該諸国の歴史をも位置づけることを目的とし、具体的には、1)議院内閣制化と選挙権拡大の観点から見た政治体制の民主化、2)農民政党を中心に見た政党システム形成、3)ハンガリーを事例とする農民と労働者の政治動員のそれぞれの過程を政治学的なアプローチを用いて分析することを意図している。上記の目的に沿って、当該期間内に必要な文献資料(単行本・博士論文・雑誌論文)の収集に努め、現在その整理・分析を行っている。予定していたマイクロ資料が購入できなかったため、上記テーマ3)に関する20世紀初頭のハンガリーにおける労使紛争の統計分析の作業は中断を余儀なくされたが、その代わりに各種雑誌バックナンバーを購入することができ、国内の文献・雑誌所蔵機関での文献資料収集も精力的に行った。平成18年1月1〜9日にはハンガリーを訪れ、議院内閣制・選挙権改革・政治体制をめぐって一次世界大戦前から戦間期にかけて雑誌上などで展開された議論、同時代の政治学文献についての資料収集を行った。収集した文献・資料に基づいて、テーマ1)に関しては、東欧地域全体の政治発展・政治体制に関する研究動向紹介と自分なりの中間考察をまとめ、研究成果報告書に収めた。同テーマに関連して、第一次世界大戦前までの時期のハプスブルク君主国の、共通制度・シスライタイニア・ハンガリーの3つのレヴェルにおける政治制度面での発展の隘路についての中間的な考察もまとめつつある。テーマ2)に関しても、農民の政治動員と農民政党形成に関する考察を進める準備を整えつつある。
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Rekishigaku-Jiten (Lexicon of History), O to Kokka (The King and the State)(ed. by Kuroda, Hideo et al.)(Kobun-Do) Vol.12
ページ: 219-221
op.cit.
ページ: 505-508