研究課題/領域番号 |
16530102
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
国際関係論
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
NOBLE Gregory 東京大学, 社会科学研究所, 教授 (20334261)
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研究分担者 |
石田 淳 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (90285081)
松原 望 上智大学, 外国語学部, 教授 (20000185)
飯田 敬輔 青山学院大学, 国際政治経済学部, 教授 (00316895)
鈴木 基史 京都大学, 大学院法学研究科, 教授 (00278780)
稲田 十一 専修大学, 経済学部, 教授 (50223219)
樋渡 展洋 東京大学, 社会科学研究所, 教授 (10228851)
古城 佳子 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (30205398)
樋渡 由美 上智大学, 外国語学部, 教授 (70208635)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2006年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2004年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | アジア太平洋 / 国際経済関係 / 防衛・安全保障 / 中国 / 朝鮮半島 / 台湾 / ASEAN / 日本 / 安全保障 / 日米同盟 / 自由貿易協定 / アメリカ / 北朝鮮 |
研究概要 |
本研究では、冷戦後の東アジア太平洋地域の国際関係が、ヨーロッパ共同体とNATOの東方拡大と対比して、経済的相互依存関係の進展にもかかわらず政治的・軍事的対抗関係が存続している事実検証と原因解明をめざした。仮説としては、中国が経済市場化、経済開放にもかかわらず、中台、南北朝鮮が異なる政治体制-中国と北朝鮮は非民主的政体のもと-での分断国家であることが、このような政治・軍事と経済の分離の原因であると推定して、検証をすすめた。その結果、まず、中台関係では経済関係の拡大が、台湾国内で中国との政治的軍事的関係をめぐる国内対立を激化させることが確認された。更に、地域経済協定交渉や多角的貿易交渉では、前者ではASEAN諸国の地域経済協定交渉に、日中の政治的対抗関係が、貿易投資関係の飛躍的増大にもかかわらず、影響をもたらしていることが確認されたが、多角的貿易交渉ではWTOラウウンド交渉の多様な対立軸のなかではアジア太平洋内の民主国・非民主国の対立は顕著な影響をもたらしていないことが理解された。しかし、地域経済構想の経済促進要因と政治抑制要因という展開は、そもそも日米のアジア地域構想が経済援助の限定されていたものであったことを勘案すると、新展開であるといえよう。この一方で、中国の軍事的政治的台頭に関しては、日米民主国同士の同盟関係は強化され、中国に対する対抗関係が依然として継続している。その理由の一端は、貿易と安全保障を分離して貿易拡大と軍備増強を平行して進めるアメリカの国内事情があると思われる。但し、アメリカ、日本、台湾の政治的軍事的関係の強化は、台湾国内の世論の分裂のみならず、日本国内でも世論を分裂させているため、台湾海峡での武力衝突の際の日米の軍事介入は自明ではない。むしろ、そのことが経済関係の飛躍的拡大にもかかわらず、政治的・軍事的対抗関係に立脚した現状維持・固定化志向を強化させている。
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