研究課題/領域番号 |
16530115
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
理論経済学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
大西 広 京都大学, 経済学研究科, 教授 (50176955)
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研究分担者 |
松尾 匡 久留米大学, 経済学部, 教授 (70258383)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2006年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2005年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 最適成長論 / 新古典派 / マルクス / 過剰蓄積 / 搾取 / 資本貸借 / 階級 / 本源的生産要素 / 時間選好率 / 初期資産格差 / 階級分裂 / 社会民主主義 / 労働組合主義 / 資本市場 |
研究概要 |
2002年の論文で我々が開発した「マルクス派最適成長論モデル」をいくつかの方面に拡張する作業を本研究ではすることができた。その第一の方面は、当初代表的個人モデルたる「1階級モデル」でしかなかったモデルを「2階級モデル」に拡張し、それによつて分析的マルクス主義の定義を参考にした「搾取」を定義し、それが時間経路上にどのような変動をするかを分析できるようになったことである。とりわけ、階級分裂がいくつかの条件のもとでは過剰蓄積を生み、またその解決に社会民主主義や反成長論、労働組合主義といった各種の政治思想が登場することも解明した。また、この搾取がゼロ成長社会で消滅する条件と労働価値説との関係も解明した。 第二の方面は、この「1階級モデル」としても、当初モデルでは生産手段生産部門が労働のみによるものとなっているのを機械の使用をも含むものとする拡張、社会計画者モデルから分権的市場決定モデルへの拡張、本来の「産業革命モデル」の農業革命や知識革命を説明するモデルへの拡張、生産財生産部門が不確実性を有するとするモデルへの拡張、現代の先進資本主義国のようにゼロ成長に近づいた諸国の諸現象の説明へのモデルの活用などを行なった。 なお第三の方面として、我々の「搾取の第二定義」がローマーなど分析的マルクス主義の搾取概念とどのような異同を持つのか、どのような条件ではそれらが同じになるのかなどについて検討したものがある。これらは今後の研究の方向性をさらに開拓したものとなっている。
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