研究課題
基盤研究(C)
通貨・金融統合に関する理論の代表的なものはマンデルによって開始された「最適通貨圈の理論(theory of opttmal currency area)」である。そこでは通告・金融統合の最適さのクライテリアとして、「ISショックの同期性」、「経済の開放度」、「要素(労働・資本)移動の容易さ」などがあげられている。本研究では、要素移動、特に労働移動の容易さに焦点をあて、アジア太平洋地域の労働市場統合の程度を重点的に研究した。アジア太平洋地城の労働市場統合の程度と進展を分析することにより、最適通貨圈の理論に照らして、今後の通貨・金融統合の進展の容易さを予測するためである。本研究では、このテーマに関連した論文を執筆するとともに、ワシントンにある世界銀行や米州開発銀行などの国際機関を訪間し、本テーマの専門家との討論を行った。得られた知見のうち主要なものは以下のとおりである。(1)労働市場統合の進展とともに、最適通貨圈のクライテリアのひとつが満たされる程度が増加しており、したがって、金融・通貨統合の進展が期待できるようになっている。(2)しかし、国際労働移動は、特に社会的側面を中心として、さまざまなマイナス要因をも包含するものでもあり、モノの移動やカネの移動ほど順調に増加するとは考え難い。したがって、アジア太平洋地域の労働市場統合をさらに進めるためにはさまざまな社会的条件整備が必要である。(3)地域経済統合は第3国に対しマイナスの経済効果を与えることが多く、したがって、経済統合推進の際には残された国々への十分な配慮が必要である。
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World Bank Report 4203
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Aging and the Labour Market in Japan (In Koichi Hamada and Hiromi Kato (eds.)) (印刷中)
Trade Policy and WTO Accession for Economic Development in Russia and the CIS : A Hand Book(In David Tarr(eds.)) (印刷中)
World Bank Report Vol. 4203
Aging and the Labor Market in Japan (In Koichi Hamada and Hiromi Kato (eds.))
Trade Policy and WTO Accession for Economic Development in Russia and the CIS : A Handbook (In David Tarr (ed.))
Aging and the Labour Market in Japan (Koichi Hamada and Hiromi Kato (eds.))
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Kokumin Keizai Zasshi Vol.192-5
Kobe Economic and Business Review 49(印刷中)
Exchange Rate Regime in East Asia, Routledge Curzon London, UK (in Gordon de Brouwer and Masahiro Kawai (eds))
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