研究課題/領域番号 |
16530165
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用経済学
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
村上 由紀子 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (80222339)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2006年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 国際労働移動 / 科学技術 / 労働経済学 / 経済政策 / 人的資源管理論 / 科学技術政策 |
研究概要 |
先進国では知識経済の発展にともなって、サイエンティストとエンジニア(S&E)の役割が増え、国内において彼らを育成すると同時に、海外からも優れた人材を受け入れる政策が展開されている。S&Eが国際労働移動を行う最大のインセンティブは、科学技術水準が高く最先端の知識や技術を修得する機会があること、予算、設備、人材などの仕事の環境が優れていて、S&Eとしての高い成果をあげられることである。このような条件を備えた国として、日本やアメリカは海外からS&Eを惹きつけているが、アメリカはまさに国際的な流入の拠点になっているのに対して、日本はアジアの流入拠点というローカルな位置づけになっている。日本とアメリカは予算や設備においては大きな違いはないが、言語と職場における構造的な問題が、日米間の科学技術格差の一因となり、移住先として日本をアメリカに比べ魅力のない国にしている。言語の問題とは言うまでもなく、英語と日本語の有用性の違いであり、構造的問題とは、年功的人事管理、不明確な評価、意思決定の階層的構造、雑務の多い研究環境、自由な議論を阻む組織風土などである。 組織がS&Eを需要する主な理由は、(1)有能な人材を世界的なプールの中から選択すること、(2)外国人の持つ特有の技術や知識を必要とすること、(3)人手不足を解消することである。日本の組織の場合は(1)の要因を重視しているが、上述の理由でアメリカほど魅力がなく、所望の人材を確保できていない。(2)は海外に開発・設計を委託したり、海外と共同研究を行っている機関などが重視する要因であり、今後さらにこの意味での需要が高まると考えられる。(3)は景気の影響を受けやすい理由であり、不景気になったときに国内労働者との対立を招きやすく、また、国内賃金の上昇を抑え、他の職業に比べS&Eを魅力のないものにし、国内におけるS&Eの育成の足かせになるという問題を伴っている。
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