研究課題/領域番号 |
16530194
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
経済政策
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研究機関 | 国際大学 |
研究代表者 |
XING Yuqing 国際大学, 大学院・国際関係学研究科, 助教授 (80288232)
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研究分担者 |
ZHAO Laixun (ZHAO Laixuan) 神戸大学, 経済経営研究所, 教授 (70261394)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2005年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2004年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | FDI / Exchange Rate / ASEAN / Japan / China / MNEs / Outsourcing / Exchange Rates / JAPAN / ASEAN-4 |
研究概要 |
本研究の目的は、海外直接投資受入国間において、為替レートが実際にどのように海外直接投資に影響を及ぼしているか評価するためのモデルを構成することにある。このモデルにおいては、海外直接投資を行う一カ国と海外直接投資を受け入れる二カ国から構成されている。理論モデルの結果、相対海外直接投資のフローにおいては、二つの海外直接投資受入国において一方が自国の通貨の価値を切り下げた場合に、この国は相対的に多くの海外直接投資を期待できるのに対し、もう一方の国は相対的に少ない海外直接投資を受けることが分析によって示される。これは、相対海外直接投資が、海外直接投資受入国と投資国との間の相対為替レートの関数によって導かれることを示している。 中国とASEAN-4における9つの製造業に対する日本の海外直接投資を1981年から2002年までのデータを用いて、相対海外直接投資のフロー上、為替レートが実際にどのように影響を及ぼしているのかを分析した。実証研究の結果、アジアの製造業における日本の海外直接投資に対する中国とASEAN-4間の競争は、日本の円に対してこれらの国の通貨価値が相対的に影響していることが明らかとなった。この結果は、過去20年にわたる中国の通貨切り下げが、日本の海外直接投資をASEAN-4から中国へ移した主要な要因のひとつであることを示している。実証分析では、構造上の違いに加えて、ASEAN-4は為替政策の違いから中国に多大な競争力を失う結果をもたらしたことを示している。 理論モデル、実証分析ともこれらの国々の為替政策は、アジアにおける日本の海外直接投資の地理的分布を新たに大きく変える上で重要な役割を果たしている。実証研究の結果は、全製造業に加え、従属する分野(食品、繊維、電子機器、輸送機械など)の統計データから導かれている。しかしながら、なぜ機械分野における海外直接投資は為替レートに影響を受けなかったのかという問いに対しての合理的な回答には至っていない。この問いはさらなる調査研究の課題として取り組む。この研究の主な結果は筆者執筆のThe World Economy,29(4),2006,page419-434に述べられている。
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