研究課題/領域番号 |
16530212
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
財政学・金融論
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
川瀬 光義 静岡県立大学, 経営情報学部, 教授 (40195095)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2005年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2004年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 米軍基地所在市町村活性化事業 / 北部振興事業 / 三位一体改革 / 北部振興 |
研究概要 |
1990年代半ばから、沖縄本島北部地域自治体を中心に行われている「米軍基地所在市町村活性化特別事業」「沖縄北部振興対策特別事業」「移設先及周辺地域振興事業」の経済効果について、2004年度は雇用効果を、2005年度は財政効果を中心に検証した。 これら事業は、おおむね9割補助であることに加えて、自治体の裏負担にっいても100%近い交付税措置がされるなど、全国的には「三位一体改革」によって国庫補助負担金が縮小傾向にある中で、異例中の異例というほかない格段の財政優遇措置が講じられている。もし、事業の実施が地域振興に結びついているならば、税収増など財政面でもよい効果が生じるはずである。しかしこれら事業を、先行的にかつ最も多く実施している名護市の場合、国庫支出金への依存度の顕著な上昇が認められるのみで、経常収支比率、公債費比率など各種財政指標の悪化がすすんでいる。このほか、総じて、これら事業を多く実施している自治体において、地域経済の振興や財政状況の改善がすすんでいる事例は検証できなかった。なお財政に関しては、「三位一体改革」の影響が、交付税や補助金への依存度が高く財政力が弱い沖縄県内自治体、なかでも本島以外の離島自治体への影響がより深刻であることが明らかになった。例えば、人口700人の渡嘉敷村は、2004年度において交付税などが前年度比4千万円減であったのに対し、所得譲与税は122万円にすぎなかった。 また、基地と関連しない事業で一定の成果をあげている北谷町の事例を検証した。北谷町の旧ハンビー飛行場跡地の返還跡地にすすめられたハンビー・タウンは、商業開発を中心とした成功事例として注目をあびている。この事業によって増加した住民税や固定資産税などの税収と、基地として利用されていた時代の軍用地料・基地交付金などとを比べると、さほど違いはなかった。しかし量的に大きな違いはなくとも、町の事業の成果として課税権を行使して得られる収入と、基地被害の代償にすぎない基地関係収入とは、まったく質を異にする。また、集客効果などの影響を加味すると、基地として利用されていた時代と比べ、地域経済に及ぼす影響ははるかに大きいことが検証された。
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