研究課題/領域番号 |
16530255
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
経営学
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
山田 仁一郎 香川大学, 経済学部, 准教授 (40325311)
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研究分担者 |
山下 勝 青山学院大学, 経営学部, 准教授 (80348458)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2004年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | コンテンツ開発 / 映画産業 / 革新 / 組織戦略 / ネットワーク / 企業家 / プロデューサー / 日欧比較 / 産業集積 |
研究概要 |
本研究の目的は、(1)コンテンツ(映画)開発に関して、優れた組織戦略を明らかにすることであり、(2)その組織戦略について欧州との比較を試みるというものであった。まず組織戦略の側面では、大きく2つの成果に集約できる。ひとつは、優れた映画開発者に共通する特徴として、製作という本来プロジェクトタイプで進められる活動を企業化し、その企業の発展をレバレッジとして利用している点である。成功している3つの製作会社を対象に行われた調査からは、特に企業化によって個人間ネットワークを継続させるとともにその現場で創出された知識の蓄積と共有を図ること、またその企業発展によってネットワークの規模を拡大させるとともにリスクヘッジを行いさらにネットワークの安定化を達成できることであった。もうひとつは、高業績を記録する開発者たちの人的ネットワーク(組)の構成にいくつかの類型が見られることである。267作品に参加した3170人の協働ネットワークの定量分析からはとくに、芸術性において高業績を残す人びとはネットワークの継続性が高く、逆に興行性において高業績を残す人びとはネットワークの規模が大きいということがわかっている。 このようなコンテンツ開発に従事する人びとの関係性については、同様に欧州の映画製作にも見られた。日本よりも芸術に対する支持が多い半面、経済的成果の圧力が大きい欧州においては、芸術性を守るためにコンテンツ開発者たちの強固な結束が図られるが、そこには日本で見られるような企業化やビジネスシステムとの融合は見られなかった。総じて、本研究はこれまでにあまり注目されてこなかった関係性がコンテンツ開発の成否に多大な影響を与えることを定性的かつ定量的に示し、この傾向が組織戦略としての形の差異こそあれ、欧州にも観察されることを明らかにした。
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