研究概要 |
本研究は,1990年代後半以降急速に進展した経済構造の変化のなかで,日本企業が,収益を上げるための事業の仕組み(ビジネス・モデル),その事業を運営していくための組織・管理構造(マネジメント・モデル),企業の統治構造(ガバナンス・モデル)をそれぞれどのように構築し,また変革しようとしているのか,そしてそれらを踏まえて企業活動全般にかかわる「コーポレート・デザイン」をどのように変革しようとしているのか,という点を明らかにすることを目的として始められた。 各年度の研究は,(1)日本企業は,どのようなビジネス・モデル,マネジメント・モデル,ガバナンス・モデルをもって事業を展開しているのか,(2)現状のコーポレート・デザインが,3つのモデル(ビジネス・モデル,マネジメント・モデル,ガバナンス・モデル)のどのような組み合わせによって形成されているのか,(3)日本企業は,グローバルな経営環境の変化をどのように予測し,想定した経営環境の変化に対応するために,どのようなコーポレート・デザインを構築しようとしているのか,という点を順次明らかにするべく行われた。 平成16年度の研究は,4つの分析視角(コーポレート・デザイン,ビジネス・デザイン,マネジメント・デザイン,ガバナンス・デザイン)を明確化するための理論サーベイとインタビュー調査が中心となった。国内企業に対するインタビュー調査,特にトップ・マネジメントに対する調査を実施した。調査対象は,次年度に実施したアンケート調査の分析軸を明確化するという点も加味して選定した。 平成17年度には,前年度に引き続き理論サーベイとインタビュー調査を継続的に行うとともに,大規模なアンケート調査を行った。アンケート調査に際しては,インタビュー調査や理論サーベイから導出されたポイントを随時フィードバックして,調査紙の設計や,質問項目の洗い出し,分析手法に係る意見交換を定期的に行った。 平成18年度には,理論サーベイとインタビュー調査を継続しながら,アンケート調査票の回収,データ入力,分析,解析作業を進めた。最終年度の後半には,研究経過の報告や,成果の共有を図るためにミーティングを行い,研究のまとめを行った。
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