研究課題/領域番号 |
16530281
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
商学
|
研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
石田 成則 山口大学, 経済学部, 教授 (50232301)
|
研究期間 (年度) |
2004 – 2005
|
研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
|
配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2005年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2004年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
|
キーワード | 貿易保険 / 制度金融 / 保険デリバティブ / 金融技術革新 / 保険と金融の融合 / リスクの証券化 / ファイナイト保険 / キャプティブ / ソブリン型融資 / 保険と金融の融合化 / 保険債務の証券化 / 保険業務のアンバンドリング / 財務再保険 / ストラクチャード・ファイナンス / 資産担保証券 / モーゲージ担保証券 / 保険財務の健全化 |
研究概要 |
現代の保険事業では、金融・保険商品の融合化や自由設計型の保険による資産運用も行われ、その販売スタイルやチャネルも変化しており、事業展開においてダイナミックなイノベーションが生じている。そこで、保険事業の新たな事業展開として、プロジェクト・ファイナンスに果たす役割を取り上げ考察した。とくに、保険と金融の融合化のなかで、プロジェクトの最適リスク配分における助言者としての役割と資金提供における役割を中心に分析した。 これまで発展途上国における資源開発事業等の海外巨大プロジェクトでは、ソブリン型融資が中心となり、国・政府が大きな役割を果たしてきた。しかし現在、わが国をはじめとする先進諸国は財政難に直面し、こうした開発融資は資金的限界に直面している。また同時に、海外プロジェクトのキャッシュ・フローを担保としたファイナンスが一般化し、その役割は民間の金融機関・保険会社に委譲される状況にある。そこで、新たな資金調達手段であるストラクチャード・ファイナンス(制度金融)を取り上げ、その特徴と課題を研究した。こうした制度金融では、国や政府などの最終リスク負担者が存在しない分、プロジェクトの利害関係者がリスクを分担する仕組みが重要になる。そこで、最適なリスク分担方式のあり方と、プロジェクトの事業主体や助言者である金融・保険事業の適正な役割を考察した。 また民間の金融機関がリスクを分担する場合には、高度なリスク管理手法やリスクヘッジのためのデリバティブズが利用されることになるので、こうした手法の適切な活用とその資金調達への影響を実証的に解明した。こうした分析の中で、(1)リスク許容度を加味した最適なリスク分担方式、および(2)リスク予測に専門的能力を有し、その効果を監視できる主体の果たすべき役割を明示した。その上で、金融技術革新や「保険と金融の融合化」等の動向に即して、保険事業の制度金融における役割について提示した。これまで、「倒産・破綻リスクに付随する取引費用の低減」「危険処理事務手続きの簡素化・効率化」「利害関係者のコンフリクトの調整」「各種契約の履行監視」「税債務による費用の軽減」そして「規制による事業活動の制約の緩和」などの役割が指摘されてきた。この中で、特に「利害関係者のコンフリクトの調整」と「各種契約の履行監視」に着目しながら、保険・保証と融資をミックスした新事業展開について模索し、プロジェクト・リスクを包括的に担保するファイナイト保険の有効性を明示した。
|