研究課題/領域番号 |
16530315
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会学
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
黒田 英一 宇都宮大学, 地域共生研究開発センター, 助教授 (50305976)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2005年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2004年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 集団就職 / 金の卵 / 技能修得 / 中小企業経営 / 世代間移動 / 社会階層 / 戦後農村社会 / 技能習得 / 中小企業経営者 / 社会移動 |
研究概要 |
集団就職世代の技能習得に関して、16年度、17年度2ヵ年にわたり集団就職世代を対象とした聞き取り調査を行い、特に17年度は集団就職世代の出身地のフィールドワークを行った。本研究の成果は次のようにまとめられる。 1 昭和20年代、30年代集団就職で上京し、工場や商店に住み込みで働き、厳しい修行期間を経て現在工場経営者や商店主になったものはきわめて数が少なく、いわば「一国一城の主」になれた成功者はわずかであった。 2 多くの集団就職世代が熟練技能を修得できずに、就職先を転々と変え、単純労働者になったり、また帰郷したりした。たまたまいい雇用主に出会い夜間高校にも通学することができ、厳しい修行にも耐えて技能形成できたものだけが、一定期間ののち「暖簾分け」のかたちで独立をはたした事例がいくつか見られた。 3 他方、集団就職世代の出身地をみると、東北や九州の農業生産力が劣悪な山間部の農村出身が多かった。戦後すぐの昭和20年代、30年代の農村の農外他出の出稼ぎのひとっとして集団就職はとらえることができる。 4 しかしながら、昭和30年代後半から高度経済成長が始まり、村内に誘致工場ができはじめ、交通アクセスが整備され周辺都市へ車で通勤することが可能になると、農業の機械化が進んだこともあり、会社勤務の傍ら農作業も週末にこなす農業に変化し、高校進学率も高まって集団就職は昭和50年代に入り姿を消すこととなった。 5 山間の農村部出身の集団就職世代が上京して、住み込みで技能を形成し、工場経営者や商店主などの中小企業経営者になり社会階層が上昇したものは一部に限られ、社会階層上昇はそう簡単ではなかったといえる。社会移動の壁が根強くあったことがうかがわれる。
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