研究課題/領域番号 |
16530354
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会学
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研究機関 | 佛教大学 |
研究代表者 |
高橋 伸一 佛教大学, 社会学部, 教授 (80154821)
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研究分担者 |
若林 良和 愛媛大学, 農学部, 教授 (10201146)
吉田 秀和 龍谷大学, 社会学部, 講師 (10298739)
石橋 通江 (石橋 道江) 日本赤十字九州国際看護大学, 看護学部, 講師 (30369087)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2005年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2004年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 社会移動 / 生活ネットワーク / 地域リーダー / 生活史 / 地域振興 / 地域再生 / 地域リーダ / 職業移動 / 不安定就労 / 低所得者層 / 高齢社会 / 社会的ネットワーク |
研究概要 |
本研究の目的は、現代社会の諸特性と矛盾の解明であった。現代社会の特性を「移動社会」と規定し、主に「生活の不安定化」(安定化)の要因を、人間・社会関係の変質・希薄化に設定するものである。社会移動にあたっては、生活主体者の生活を支える社会的ネットワークの存在と有効性のある生活ネットワークの形成プロセスを明らかにすることにある。すでに、元炭鉱離職者を調査対象とした経年的量的データおよび質的データの分析結果により、「生活ネットワーク」の存在と有効性は検証している。 この成果を踏まえ、ネットワーク構造の変容過程に着目しつつ旧産炭地域の低所得者層、特に旧炭住の改良住宅に居住する層および炭鉱労働経験のある地付き住民層を対象として「生活史調査」法を用いつつ生活問題の総合的な解明を試みた。対象地域は、筑豊炭田において最後の坑内掘り炭鉱として操業していた貝島炭鉱のあった福岡県宮田町である。収集した生活史データは、地域の変遷過程とその要因について、個人の側からアプローチを試みるものであった。 旧炭鉱会社の更正事業を最後まで担った人物の生活史とパーソナルネットワークからは、炭鉱会社の地域での役割、閉山による地域経済への影響などを通史的に考察することができた。そのなか、企業都市の問題と地域行政の課題を明らかにした。 また、戦後に当該地域に移り住み、一旦は関西に転出した後に、Uターンして地域の民生活動を担った人物の生活史では、福祉行政への住民の参加の事例として優れたモデルを提示できた。そのなか、住民の能動的な活動により行政を動かしていくプロセスが詳細に読み取れた。特に、住民の特質、キャリア分析から得られた知見は重要であるといえる。 調査過程で、研究対象地域は隣接する農村地域との合併(2006年2月11日)により宮若市となり、地域の再生の途を歩みつつある。地域文化の異なる住民を主体とした地域運営の行く末とそこに展開される「生活ネットワーク」の機能について今後とも注目していきたい。
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