研究課題
基盤研究(C)
イギリスを含む西欧諸国では、近年「介護の質」をめぐる論議が盛んである。中でもイギリスは、「介護の質」を担保するために、2000年にケア基準法制定し、施設と在宅の双方における「介護の質」の引き上げに向けて新しい取り組みを行なってきた。本研究は、介護がとりわけ対人サービスであることから、介護職員の職業能力形成について検討し、わが国における「介護の質」の引き上げの政策的な含意を探ろうとしたものである。本研究の成果として以下のものを得た。1.2004年にイギリスの民間高齢者施設の見学と職員への聞き取り調査を実施した。その結果から、環境、苦情処理、個別のケアプランは、ある程度機能しているものの、職員の職業能力形成のためのプログラムは、組まれていない。認知症の介護については、そのほとんどが経験に頼っている。2.2000年に制定されたケア基準法に沿って、高齢者の入居施設と在宅事業についての最低基準の内容を明らかにしたことと、介護職業資格に関わる基準を明らかにした。すなわち、いずれの部門でも50%の介護職員が全国職業資格(NVQ)のレベル2を取得しなければならない。3.イギリスにおける教育制度と職業資格の関係を明らかにした。これらは、主として継続カレッジあるいはeラーニングで担われている。4.全国職業資格レベル2の取得のための教育プログラムとテキストの内容及び達成基準を明らかにした。5.2006年にイギリスの保健省に出向き、ケア基準制定後の資格取得状況及び事業所の職業訓練の聞き取り調査を行なった。6.2004年に訪問調査した高齢者施設の監査報告書の継続調査を行なった結果、2006年に介護職員の資格取得率が50%になった。さらに、その他の基準のスコアも向上していることがわかった。今後の課題として、教育技術省の調査の必要が明らかになったため、継続調査を行なう予定である。
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静岡県立大学短期大学部研究紀要 20-W号
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静岡県立大学短期大学部研究紀要 W-20
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研究紀要 19号
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静岡県立大学短期大学部研究紀要 19
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日本介護福祉学会大会 プログラム要旨集 第13回
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静岡県立大学短期大学部研究紀要 18
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Annual Report of University of Shizuoka, Junior College 18
研究紀要 18号