研究課題/領域番号 |
16530396
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会心理学
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
堀毛 一也 岩手大学, 人文社会科学部, 教授 (10141037)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2006年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2005年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2004年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 相互作用論 / マウス・パラダイム / 社会的状況 / パーソナリティ / 動態的アプローチ / EPPS / 経験サンプリング法 / 接近・回避 / 社会的欲求 / 社会的文脈 / ビッグ・ファイブ |
研究概要 |
本研究では、相互作用論的なパーソナリティ理解を基盤に、測定技法として未整備な文脈的・動態的性格検査の開発を目的とした研究を行った。報告書では、アプローチの基盤となる動態的なパーソナリティ研究の最新の動向についてまとめを行うとともに、動態的検査法として、マウス・パラダイムを用いた5つの実証的研究の成果をまとめた。具体的には、刺激として文脈的に呈示される場面や関係性に対する接近-回避的心性を、マウスの動き、すなわち移動距離、焦点距離、移動スピード等の動態的指標を用いて把握しうる検査の開発をめざした。 第一研究から第三研究では、複数の場面もしくは関係性を連続的に画面に呈示することにより文脈的な変化とみなし、場面および関係性系列間の動態的指標と自記式評定法の相関の相違を検討した。検査は、二重焦点と単一焦点の2つの様式で行い、妥当性の指標としてビッグ・ファイブ(基本性格5因子)との相関を検討した。結果として、動態的指標の個人内安定性が示されたが、文脈的な影響は明確に把握できなかった。動態的指標と自記式尺度との相関も一部で有意な結果が得られたものの、関連性は全般に低かった。 そこで、第四研究、第五研究では、刺激への接近-回避の継時的変化という動態的側面に焦点をあわせ、汎用的な検査法の開発をめざす研究を行った。第四研究では、接近-回避的心性と関連が深いと考えられる欲求の測定指標として動態的指標を利用し、EPPSの測定項目をターゲット刺激として利用する二重焦点試行により、自記式尺度や経験サンプリング法により測定された日常的感情指標との相関を検討した。その結果、動態的指標と自記式尺度および感情指標の間に、比較的高い相関がみられた。さらにその様相には動態的指標の種類による相違もみられ、これらの指標による測定の妥当性・弁別性が確認された。また第五研究では、関係×場面での主観的充実感の動態的変化を測定l、自記式評価や感情指標との相関を検討し、同様に有効な測定技法となるとの結論を得た。
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