研究課題/領域番号 |
16530407
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会心理学
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研究機関 | 文京学院大学 |
研究代表者 |
上村 佳世子 文京学院大学, 人間学部, 教授 (70213395)
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研究分担者 |
加須屋 裕子 文京学院大学, 人間学部, 教授 (60296291)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2005年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2004年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | コミュニケーションスタイル / 三者間相互交渉 / 会話スキル / 幼児 / 家族 / 親子 / 社会的共同行為 / 三者間相互行為 / 共同行為 / きょうだい / 会話の参入 / 文化的道具 / 会話の指向性 / 言語環境 / 会話参加 |
研究概要 |
本研究では、三者間の共同行為の中での幼児のコミュニケーションスタイルの習得と、親およびきょうだいが提供する言語環境との関係を明らかにすることを目的とした。子どもは家族の中で直接的に働きかけられたり受容されたりすることで、会話参加を動機づけられ会話に参入し話題を維持するスキルを発達させると考えられる。そこで、(1)30か月および42か月時点で、幼児がどのようにコミュニケーションスタイルを習得し、会話参入をおこなうか、(2)親が応答やことばかけなどを通してどの程度参加を促したり、状況理解の補助をするか、働きかけの頻度や質が両親で異なるか、(3)きょうだいの媒介的働きかけと競合的働きかけが、男児同士、女児同士きょうだいの組み合わせでどのように異なるか、という各側面について三者間相互行為の1年間の短期縦断的な変容から検討した。 その結果、次のようなことが明らかとなった。(1)30か月時点での相互行為では、母親が対象児に対して優先的に会話を配分した。結果的に対象児は母親の介入や援助によって、コミュニケーションに参加しきょうだいとの対等な相互行為を実現した。父親はきょうだいとの会話を継続する傾向がみられるため、対象児は父親に発話内容を理解してもらうために自分から会話に参入し、完成した発話スタイルを試行した。(2)42か月時では父母の明確な差異は観察されず、両親共に2人の子どもに任せ、トラブルが生じたときに援助や介入に参加した。(3)きょうだいの対象児に対する働きかけは親の介入に対応しており、30か月時点の母親参加時には受容的な応答が多く、父親参加時には、対象児のおもちゃや父親との相互行為を媒介する役割を果たしていた。42か月時点では、対象児のコミュニケーションスキルが高くなったことが影響して、相互行為の中で競合することで生じるトラブルが多く観察された。観察の2時点におけるこのような傾向は、子どもの性差を問わずほぼ同様に示された。
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