研究課題
基盤研究(C)
本研究では、社会的行動に及ぼす情緒制御と認知制御の役割を検討した。まず、この10年間の仲間関係研究を、仲間関係の形成過程、社会的行動と仲間関係、認知制御(社会的問題解決)と仲間関係、情緒制御と仲間関係という4つの側面からまとめ、認知制御と情緒制御の検討の重要性を指摘した。つづいて、子どもの社会的行動査定のための子どもの行動尺度の日本版として信頼性・妥当性のある尺度を開発した。子どもの仲間関係・社会的行動と情緒制御・社会的問題解決の関連を検討し、情緒喚起刺激の視聴における表情分析において、喚起された情緒反応を情緒喚起刺激のない安静状態において十分沈静化できない子が子どもの行動尺度や仲間からの評価で適応的でない評価を受けることが見いだされた。また、情緒喚起刺激における表情表出は、年長幼児の場合、友達と2人でいる場合抑制されることが見いだされた。また大学生の生理反応を測定すると、情緒喚起刺激は心拍の低下をもたらすことが分かった。情緒状態と社会的問題解決の関連を検討すると、高特性不安や悲しみ。驚きといったネガティブな感情は問題の否定的な定位をもたらし、回避的あるいは衝動的な問題解決方略を引き起こす。一方、低特性不安や興味・喜びといったポジティブな感情は、問題の肯定的な定位をもたらし、合理的な問題解決方略を引き起こすことが示された。これらの結果は、仲間関係のもととなる社会的行動の基盤に情緒制御と認知制御(社会的問題解決)が関連しながら影響を持つことを示している。
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