| 研究概要 |
本研究では,大学生の自殺予防プログラムの開発,特に最近急速に発展・普及しているITを活用する方法について検討し,以下の3点を明らかにすることを目的とした。(1)自殺を予防するためには,どのような教育プログラムが有効であるか。(2)自殺を考える人を早期に発見するためにどのようなストラテジーがとられるか。(3)自殺を考える人へどのようなサポートを提供できるか。
自殺予防プログラムの情報発信の対象を大学生,教職員,保護者向けに分け,共通する内容とそれぞれに適切な情報を盛り込むことにした。1次予防(予防啓発)として,青年の自殺の実態や現代の青年の多くが抱える問題,自殺の危険因子等の情報を盛り込んだ。2次予防(介入)として,悩みを抱える学生に相談・被援助行動を促すため,具体的な事例をいくつか提示し,問題解決のための情報を盛り込み,関係者が自殺の予防・介入を行うに当たっては,適切な介入ができるようにするためリスクの程度を明らかにすること,具体的な介入の仕方や配慮点を盛り込んだ。3次予防(事後対応)として,未遂の場合,自殺企図者へさまざまなケアがあることを提供し,再発予防についての情報,完遂の場合,身近な人に与える衝撃を緩和する情報を盛り込み,インターネット(Webサイト)を活用した自殺予防プログラムを開発した。
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