研究課題/領域番号 |
16530461
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
臨床心理学
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研究機関 | 広島修道大学 |
研究代表者 |
志和 資朗 広島修道大学, 人文学部, 教授 (20351984)
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研究分担者 |
松田 俊 広島修道大学, 人文学部, 教授 (50173844)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2005年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | EMDR / 脱感作 / SUDS / 事象関連電位 / P3 / 外傷記憶 / ERP |
研究概要 |
EMDR(Eye Movement Desensitization and Reprocessing:眼球運動による脱感作と再処理法)は、1987年にShapiroによって発見された心理療法である。EMDRの治療効果は主観的な評価が用いられることが多く、客観的な評価が必要である。本研究では、外傷刺激が呈示された時の事象関連脳電位(ERP)を測定する。ERPのなかでも、認知情報処理の過程を直接反映すると考えられているP3の振幅や潜時が、EMDRの前後でどのように変化するのかを検討した。また、外傷記憶が短期記憶か長期記憶かによって、EMDRの治療効果が異なるのか検討した。 まず、EMDRによって不快な記憶が脱感作されるかを精神生理学的な指標であるP3を用いて検討した。その結果、EMDR群においてP3振幅が有意に低下し、SUDSの値も低下した。このことから、EMDRの有効性を主観的評価のみならず、客観的指標である事象関連電位においても明らかにすることができた。 次に、外傷体験が2年以内の場合(短期記憶)と、2年以上の場合(長期記憶)を変数として、EMDRの効果発現に差があるのかについて検討した。その結果、短期(2年以内)の外傷記憶に対するEMDRの効果発現ついては、両側性刺激の呈示によって脱感作され、関連刺激に対するP3振幅は低下し,またEMDR施行後のSUDSの値は施行前の値よりも低下した。また、長期記憶に対するEMDRの効果発現については、両側性刺激の呈示により関連刺激に対するP3振幅は減少し、SUDS値も低下した。 以上のことから、外傷体験が短期記憶であっても長期記憶であっても、EMDRの治療効果は同じであることが明らかとなった。
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