研究課題/領域番号 |
16530477
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験心理学
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
吉村 浩一 法政大学, 文学部, 教授 (70135490)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 変換視 / 書字行動 / 描画 / 動作解析 / 遅延フィードバック / ワーキング・メモリ / 半側空間無視 / 書字・描画行動 / ワーキングメモリ / 変換視研究 / 左右反転視 / 時間遅延 / 手動作 / 時間遅延フィードバック / 上下反転視 / 逆転視 / 鏡映像 |
研究概要 |
逆さめがねを作成する方法には、プリズムなど光学的に視方向を変換する方法以外に、ビデオカメラを用いて電子的に変換する方法がある。本研究では、後者の方法を開発し、視方向を変換する以外に、視野像に時間的遅延を与えることも実現した。被験者は、ヘッド・マウント・ディスプレイを介して、変換された視野像を見ながら、書字・描画作業を課された。そして、課題遂行中のペン先の動きがビデオ記録され、毎秒30コマのサンプリングタイムで、時空間分析された。 健常者においては、1秒遅延する視覚情報に導かれた書字行動において、オーバーランが顕著に出現したが、漢字書字では、すでに獲得している手の運動感覚に基づいて遂行するため、視覚に導かれた書字とならず、オーバーランは認められなかった。残念ながら、研究仮説として設定した、遅延フィードバック条件で、余分な点や線など付加するという遂行パターンは示さなかった。 回復期にある半側空間無視患者に対して行った、書字・描画課題(正常視条件でのみ行った)においては、次のような特徴がみられた。たとえば二重円を描く課題で、鉛筆での図形描画では2周を書き終えたところで課題を終えたが、軌跡がフィードバックされないライトペンでの描画では、3周目にかなり進んでから描画を終えるという付加的描画を行った。立方体の線画見本を模写する描画課題では、軌跡がフィードバックされない条件での遂行で、さらに顕著な図形の崩れが認められた。今後、鉛筆での描画など、軌跡が残る方式ではなく、軌跡がフィードバックされない条件下での遂行を課すことにより、軽微な障害を敏感に検出できる可能性が示唆された。
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