研究課題
基盤研究(C)
本研究は、生涯学習で主要な位置を占める「趣味・習い事」学習の領域において、今後の少子高齢社会でますます重要となる二つの現代的課題(「男女共同参画」「異文化共生」)を展望する学習プログラムをどう構想・開発すべきか、という問題意識から出発した。平成16年度には、包括的な調査研究の不十分さから「趣味・習い事」学習の実態把握が先決課題と判断し、軌道修正を行った。そこでは主に、カルチャーセンターでの講座や公民館の自主学習グループ活動の役割に注目し、ヒアリング調査やアンケート調査を行った。また日本の特色ある趣味・習い事文化の本質にアプローチすべく、日本の伝統文化における「学びの様式」を考察し、韓国のコミュニティ教育にも注目した。平成17年度はこれらを受け、主に四つの作業を行った。第一に、カルチャーセンターの協力を得て行った学習者ニーズ・学習スタイルに関わるアンケート調査の集計・分析作業、ヒアリング調査結果のまとめ、公民館におけるアンケート調査結果の集計・分析・考察である。第二に、日本の「学びの様式」の独自性をめぐる比較考察のため、イギリス成人教育の方法論的成立を実証的に考察し、また欧米の学習様式の成立と実際に関わる英語文献の講読・監訳作業に従事した。第三に、日本の伝統的な「趣味・習い事」に関わる文献の講読・整理を行った。第四に、「男女共同参画」「異文化」に関わる分析枠組とプログラム開発のための諸要素の検討を行った。最終報告書ではさらに、本テーマの文脈から包括的な議論を行っている。また現代社会と日本文化を反映した「趣味・習い事」学習の実際において、「男女共同参画」「異文化共生」への契機を学習場面や学習プログラムにどう盛り込み、学習の成果をいかに社会生活と結びつけるかという点で、実践的な示唆や提起を盛り込むものになっている。
すべて 2006 2005 2004
すべて 雑誌論文 (19件) 図書 (2件)
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京都大学生涯教育学・図書館情報学研究 第4号(発表予定)
今、あらためてジェンダーフリー教育を考える-男女共同参画社会実現のために
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