研究課題/領域番号 |
16530506
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教育学
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研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
本山 方子 (2005-2006) 奈良女子大学, 文学部, 助教授 (30335468)
西村 拓生 (2004) 奈良女子大学, 文学部, 助教授 (10228223)
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研究分担者 |
杉峰 英憲 奈良女子大学, 文学部, 教授 (70025112)
浜田 寿美男 奈良女子大学, 文学部, 教授 (50113105)
森岡 正芳 奈良女子大学, 文学部, 教授 (60166387)
西村 拓生 奈良女子大学, 文学部, 助教授 (10228223)
天ヶ瀬 正博 奈良女子大学, 文学部, 助教授 (00254376)
本山 方子 奈良女子大学, 文学部, 助教授 (30335468)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2006年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2005年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2004年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 教育学 / 教育心理学 / 授業 / 臨床 / 物語論 / エスノグラフィー / 言説 / 臨床教育学 / 質的 / 談話 / コミュニケーション / 授業研究 / 省察 / 仲間集団 / 話し合い |
研究概要 |
臨床教育学やエスノグラフィー、物語論という臨床的・解釈学的な教育研究のアプローチは、教育の「現実」について、その実在を前提とせず、言説によって構成されるとし、子どもや教師にとって生きられた「意味」を問い直すものである。本研究では、第一に、理論研究として、臨床的・解釈学的なアプローチが、いかなる点で教育研究や授業研究の有効な方法となるのか、教育哲学1臨床心理学、知覚心理学、供述分析論、質的心理学等の側面から検討を行った。第二に、調査研究として、臨床的・解釈学的なアプローチによる問題解決を試みた。テーマとしては(1)教室談話における公共性や、「読み」の交換、教師の教材解釈とその実現、授業実践における同期性・同型性など「マイクロな授業システムの研究」、(2)カリキュラム展開における教師の省察や言語実践、学級文化の志向性など「カリキュラム実践の研究」、(3)教室規範の生成過程や、子どもの役割取得、集団としての言語的相互作用の生成など「子どもの就学移行期の研究」、(4)小学校中学年から中学校に至る関係性の境界づけや調節、集団維持のダイナミクスなど「仲間関係の発達研究」、(5)教師による教育経験の語り直しや、産出テクストの意味の再構成など「テクストの産出や解釈をめぐる研究」、と多岐にわたる。成果は次の3点である。(1)「現実」の構成と再構成については、語り直しや読み直しを通して、新たな意味を付与したり顕在化させる点で、臨床的・解釈学的アプローチに有効性が認められた。(2)ただし、学校教育を相対化し、「文化」「制度」「発達」など上位概念の検討に単純には至らない。調査者は時に「事実」に圧倒される。生きられた「意味」の探索は、言説に依拠しすぎると大局を見失う。(3)したがって、臨床的・解釈学的アプローチのもつ「意味」生成への威力は、一方で、調査者の思考を限定する方向にも働きうる。方法の有効性とともに、その限定について同時に議論を行う必要がある。
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