研究課題/領域番号 |
16530547
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教育社会学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
吉谷 武志 九州大学, 人間環境学研究院, 教授 (60182747)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2006年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2004年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 市民教育 / 欧州審議会 / EU / 民主的市民教育 / 異文化間教育 / 多文化教育 / ヨーロッパ / 多文化社会 / EUの教育 / ヨーロッパの教育 / マイノリティ教育 |
研究概要 |
今日、多文化社会が現実のものとなったヨーロソバ各国は、国内の多様な言語、宗教、生活習慣をもつ「国民」を、平和で民主的な社会の構成員として、つまり「民主的な市民」として再編成し、安定した社会を再構築する必要性を強く認識し、その努力を続けている。「民主的市民教育」は戦後最初に創設された在欧国際機関である、欧州審議会(Council of Europe)が、こうした社会の再統合のための最大の課題の一つとして推進している政策課題である。 過去3年間の文献調査、現地調査を総括し、下記のような点を論証し、成果として報告した ・「民主的市民教育」は、プロジェクトの創設(1997年)までの異文化間教育、人権教育、様々な差別などの多様な社会における既存の政策を、一種統合するかたちで推進されていること。 ・第1期(1997〜2000年)、第2期(2001〜2004年)、そして「欧州民主的市民教育年」"Year of Democratic Citizenship through Education"の成果を引き継ぎ、第3期(2006〜2009年)でも重要な政策課題の一つとして推進されていること ・また、それぞれの時期の課題が発展し、目標の人間像が明確化してきていること ・今後とも、この民主的市民の形成は、宗教、言語、生活習慣など民族的文化的に多様化するヨーロッパ諸国、社会の人間像として一層重要なものとなること ・今後、一層の多文化化、多民族化が、動向として、また社会的必要性として予想されている日本社会にとっても、ヨーロッパの追究するこうした人間像は、教育上の目標として重要な視点を提供していること、等を指摘した。 以上、国民国家のあり方が、社会の構造的な変化により問われている今日、ヨーロッパ審議会の教育政策は、今後とも注目に値するものを持っている。
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