研究課題/領域番号 |
16530550
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教育社会学
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研究機関 | 文教大学 |
研究代表者 |
手嶋 將博 文教大学, 教育学部, 講師 (90364736)
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研究分担者 |
池田 光裕 (池田 充裕) 山梨県立大学, 人間福祉学部, 助教授 (40342026)
市川 誠 立教大学, 文学部, 助教授 (60308088)
鈴木 康郎 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 助手 (10344847)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2005年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2004年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 環境教育 / 東南アジア / 民族的文化的環境観 / グローバル市民意識 / カリキュラム / 国際比較 / 教育政策 / 持続可能な開発 / 民族的・文化的環境観 |
研究概要 |
本研究では、タイ、マレーシア、シンガポール、フィリピンという4ヶ国において、(1)フォーマル/ノンフォーマルな環境教育の枠組み、(2)仏教、キリスト教、イスラーム等といった価値規範の反映の状況、(3)環境教育カリキュラム、教科書・教材、教育方法等における(1)国際的な共通点(グローバルな環境意識)、(2)民族の伝統文化や宗教など価値教育の視点(文化的環境観)からみた相違、(3)教育方法における異同、といった三点から比較・考察を行い、東南アジアの環境教育の現状と課題を明らかにした。 学校教育では、各国とも社会科・理科を中心とした横断的カリキュラムを展開。ノンフォーマルなNGOの活動は、学校教育の補填として体験的な環境教育に利用されている。 教科書・教材では国際的に共通した教材とともに、タイでは仏誕節などの仏教的行事や各地方の自然信仰等、マレーシアでは「神の創造物としての環境」「環境に対する人間の責任」等のイスラーム的価値といった、環境に対する宗教道徳的価値を扱った内容・記述が色濃く見られる。フィリピンでも、道徳の教科書などに「環境=神の創造物」という記述が見られる。シンガポールは多民族・都市国家のためか、環境に関わる価値的・情感的な記述は少ない。 体験重視・批判的思考力を重視する教育方法は、各国共通の部分が多く、世界標準的なアプローチといえる。しかし、各国・地域の生活に密着した教材を扱い、子どもたちに体験・探究させる方法は普及しているが、各国の文化的・宗教的価値観については単に教条主義的な扱いも目立ち、各国・地域教材を通して学ぶ環境意識が、グローバルな環境意識へと拡大するための有効な促進要因として必ずしも機能しているとはいえない。 また、政府機関とNGO・NPO等の民間組織の結びつきや、政府のコントロールが極端に強い事例もあり、国家にとって都合のよい環境教育のみが部分的に強調される危険性もある。
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