研究概要 |
本プロジェクトの目的は,小学校算数の教材「台形」の授業で用いられる授業タクティクスの分析と評価を内外の資料から行うことである。授業タクティクスは,生徒の学習の成立を意図して授業のなかで展開される認知活動であり,それの良し悪しは学習が成立するかどうかに直接影響する。 平成18年度は,本プロジェクトの最終年であり,まとめとして実施報告書「教材『台形』の授業タクティクスの分析と評価に関する総合的研究」(98頁+資料)を作成した。その主な内容は,次の通りである。 (1)昨年度に報告した授業タクティクスの分析規準をバージョン・アップしてTOCL2007(Tactics of Concept Learning2007)を作成した。 (2)この分類基準にもとづいて,明治期の日本の教科書,平成10年及び平成16年の日本の教科書の分析をし直した。 (3)3人の日本の教師の授業と1人の中国の教師の授業VTRの授業タクティクスを分析して,比較検討した。 (4)(3)で分析した4本授業を採録した教室で学んだ,児童の事前及び事後テストの成績を分析し,比較検討した。 本プロジェクトに関連して,本年度中になされた発表及び発表予定の研究は次のとおりである。 (1)河野義章 2006 授業に生かすカウンセリング(分担執筆)國分康孝編著 カウンセリング事典 福村書店(印刷中) (2)河野義章 2006 「教育カウンセリング研究」を育てよう 教育カウンセリング研究,1,6-8. (3)河野義章 2006 中国の小学校における算数概念「台形」の授業タクティクス分析の一事例,日本教育工学会第22回全国大会発表論文集,407-408 (4)河野義章 2007 子どもたちは「台形」の授業で何を学んだか(3) -授業タクティクスgl(定義を示す)の効果- 第49回日本教育心理学会総会(発表予定)
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