研究概要 |
1.研究課題の内の行列式公式については,無限遠点が1点のみの一般のpurely d-gonal曲線(定義は論文等を参照)の場合に,ほぼ解決した.実際,超楕円曲線やいくつかのpurely trigonalの場合に加へ,昨年度はd=5の最も簡単な曲線(しかし種数は10)についても行列式公式を証明した.ただ証明が迂遠だと思はれるので,その簡略化が望まれる.証明を一般のd-gonalな場合に適用するには,組み合せ論的な考察が有効と思はれるので,この方面に詳しい鈴木浩志氏に名古屋大から来てもらひ,状況を説明した.氏と共同でこの問題について考察をした. 2.Bernoulli-Hurwitz数については,当初の問題は未解決ではあるが,返つて種数1,つまり楕円曲線の場合に成果を得た.それは浅井哲也氏の再発見したelliptic Gauss sumsといふ対象が,Hurwitz数との合同式のみで決定されるといふ発見である.さらにこの値はTate-Shafarevich群の位数をも決定してしまふ.この内容は論文にまとめて,北陸の研究集会で発表した.同研究集会の報告集に掲載が決定されるが,欧文の学術誌用の論文も用意した. 3.研究分担者の尾台氏は,上記の研究交流の一部や発表にも参加し,事前の準備や終了後の成果の細部の検討を行なった.
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