研究分担者 |
竹内 喜佐雄 埼玉大学, 理学部, 教授 (00011560)
酒井 文雄 埼玉大学, 理学部, 教授 (40036596)
水谷 忠良 埼玉大学, 理学部, 教授 (20080492)
阪本 邦夫 埼玉大学, 理学部, 教授 (70089829)
岸本 崇 埼玉大学, 理学部, 助手 (20372576)
小池 茂昭 埼玉大学, 理学部, 教授 (90205295)
押切 源一 岩手大学, 教育学部, 教授 (70133931)
川田 浩一 岩手大学, 教育学部, 助教授 (70271830)
沼田 稔 岩手大学, 教育学部, 教授 (50028255)
小宮山 晴夫 岩手大学, 教育学部, 助教授 (90042762)
宮井 秋男 岩手大学, 教育学部, 講師 (70003960)
|
研究概要 |
我々の研究は次の2点に要約できる。第1の研究について説明する。池田氏は,楕円モジユラ形式のHecke固有関数fからHecke固有関数になる次数2nのSiegelモジュラ形式Fを構成することに成功した。一方,W.Kohnenは,池田持ち上げをKohnen空間SからSiegelモジュラ形式の空間S(2n)への線形写像I(k,n)の形で再定式化し,次数2nのSiegelモジュラ形式のMaass空間M(2n)の定義をSiegelモジュラ形式のFourier係数の間のある種の線形な関係式として与えた。彼はまた同時に,池田持ち上げの像I(k,n)(S)がM(2n)と一致するというKohnen予想を提出した。斎藤-黒川持ち上げ及びMaass空間を一般の次数のSiegelモジュラ形式に拡張することは,従来より,Siegelモジュラ形式の持ち上げの研究の中で中心的な懸案の課題であつた。一般的に保型形式の持ち上げ理論においては,構成と共にその核と像に特徴付けを与えることが重要な課題である。 私はW.Kohnen氏との共同研究で,池田持ち上げの像I(k,n)(S)はMaass空間M(2n)と一致することを証明し,Kohnenの予想を肯定的に解決した。論文はCompositio Math.に出版された。 第2に我々は,一般代数体上の半整数の重さのモジュラ形式fから偶数の重さのモジュラ形式Fへの志村対応Pを,テータ級数を核とする積分作用素で表示した。また像F=P(f)のフーリエ係数を,fのフーリエ係数を用いて具体的に求めた。一般代数体上の半整数の重さのモジュラ形式fの平方因子が無い整数におけるFourier係数の平方を,fの志村対応による像F=P(f)に付随するゼータ関数の特殊値を用いて,具体的に表示した。
|