研究概要 |
具体的な研究成果の概要は次の通りである。 まず第一にBを標数p>0の体k上の可換k-代数とする。可換k-代数AがBの純非分離k-形式であるとは、k上の純非分離代数拡大体k'があってA【cross product】_kk'〓B【cross product】_kk'が成り立つことである。これまでBがk上の1変数多項式環k^<[1]>といった基本的な場合にすら純非分離k-形式の構造は知られていなかった。本年度ではp>2の仮定の下では、より一般なBがクルル次元1の幾何学的正規環であってk上2つの元で生成されるとき、Bの純非分離k-形式Aのk-代数としての構造定理を与えることができた。 次に、RがKおよびkをそれぞれその商体および剰余体とする離散付値環とする。R上有限生成な整閉整域Aに対して、その生成ファイバーA【cross product】_RKがK上1変数の多項式環(resp.1変数のローラン多項式環)なるときそれぞれgeneric fibrations by A^1(resp. by A^*)という。このようなAについて被約なk-代数(A【cross product】_Rk)_<red>のk-代数としての具体的な構造を与えることができた。 さらに、Vを付置環、kをその剰余体とする。L=K(x,y)を体K上、多項方程式f(x,y)=0で定義された1変数代数関数体、V_<xy>をK(x,y)の付置環、k_<xy>をその剰余体とする。V_<xy>がVを支配し、またk_<xy>/kが超越拡大体とする。するとk_<xy>は1変数代数関数体となる。本研究では、f(x,y)=y^n-h(x)(0<n,h(x)∈K[x])になる場合についてk_<xy>のk-代数構造を主に研究した。その結果、kが標数零の代数的閉体のとき、そのような体k_<xy>=k(z,w)の定義方程式g(z,w)=0を具体的に得ることができた。
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