研究課題/領域番号 |
16540023
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
代数学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
有木 進 京都大学, 数理解析研究所, 准教授 (40212641)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,340千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 240千円)
2007年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2005年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2004年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | ヘッケ代数 / モジュラー表現 / 柏原クリスタル / パスモデル / 退化BMW代数 / モジュラー分岐則 / DJM予想 / Hecke代数 / B型Hecke代数 / 有理Cherednik代数 / affine Wenzl代数 / 巡回Hecke環 / affine Wenzl algebra / cyclotomic Wenzl algebra / degenerate Hecke algebr / modular representation / Schurs Q-function / cellular algebra |
研究概要 |
代数群・量子群・共形場理論の研究に付随して現れる種々の代数があり、種々の手法が適用でき深い解析が可能なために特殊非可換代数論とでもいうべき分野をなしている。本研究計画では今までのHecke代数のモジュラー表現の研究を基に2つの主題、すなわち新しい代数系への展開、およびHecke代数のモジュラー表現における未解決問題の解決、を目的としていた。まず、1つめの目的については任意の代数閉体上に定義された退化affine BMW代数を取り上げ、そのすべての有限次元既約表現を構成することに成功した。これはMathas, Rui両氏との共同研究である。この研究は他研究者によるaffine BMW代数に関する後続研究を産むことにもなった。さらに研究期間中にRouquierにより有理Cherednik代数が複素数体上定義された巡回Hecke代数のquasihereditary coverを与えることが示され、Fock空間の圏化がより現実味を帯びてきた。これは研究代表者の分解係数定理の大きな一般化を与える描像である。この2点により研究最終年度には共形場理論の表現論とのつながりを意識した研究にシフトしていき、次年度以降につながる問題意識が得られたのも意義あることであった。次に、2つめの目的については当初計画で目的としていた巡回Hecke代数のモジュラー分岐則の証明に成功した。また、12年間未解決であったDipper, James, Murphyの予想の証明に成功した。これはJacon氏との共同研究である。さて、対称群およびA型Hecke代数の表現論では長きにわたりMullineux予想が未解決であって、90年代にKleshchev氏によって証明されたのは大きな出来事であったが、Littelmannのpath modelをHecke代数の表現論に応用することにより、この有名なMullineux写像の簡明でまったく新しい記述を得ることができた。すなわち、path modelで考えれば半単純代数でない一般の場合でも常にMullineux写像は分割の転置で与えられるのである。以上の研究成果や表現型の決定について多くの研究成果発表も行った。
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