研究課題/領域番号 |
16540048
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
代数学
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
長岡 昇勇 近畿大学, 理工学部, 教授 (20164402)
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研究分担者 |
泉 脩蔵 近畿大学, 理工学部, 教授 (80025410)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2006年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 整数論 / モジュラー形式 / 保型形式 / 数論幾何学 |
研究概要 |
この研究期間における主な研究目標は、以下の2点であった. (1)多変数保型形式の典型的な例であるジーゲル・モジュラー形式やヒルベルト・モジュラー形式にについて、その「正標数」での性質、すなわち「modp」での性質を解明する. (2)Serreが一変数、すなわち、楕円モジュラー形式の場合に定義したp進アイゼンシュタイン級数の概念を多変数の保型形式の場合に拡張し、その性質を調べる. これらの研究目標に対して得られた成果は以下のとおりである. (1)ここ数年の懸案であった「あるmod pでの性質をもつモジュラー形式の存在」の問題について解答を与えた.モジュラー形式で、そのフーリエ展開が定数項が1で、その他のフーリエ係数が全てpで割り切れるようなものの存在は、楕円モジュラー形式の場合、モジュラー形式のmod p理論において重要な役割を果たすことが知られ、その「存在」の多変数の場合への拡張は、懸案であった.この研究期間の成果は、この問題に解答を与えたことにある.これまではアイゼンシュタイン級数をもちいる方法が知られていたが、この方法では、素数pに条件がつき、完全な解答を与えられなかった.ドイツのBoecherer教授との共同研究により、theta級数を用いる方法を展開し、完全な解答を与えた.この成果は、2006年秋季日本数学会代数学分科会特別講演で発表され、論文はMath.Annに掲載が決定した. (2)Serreの意味でのp進アイゼンシュタイン級数の概念を、多変数保型形式の典型的な例であるエルミート・モジュラー形式の場合に拡張し、基礎体の類数が1の場合にジーナス・テータ級数と呼ばれる全く別のモジュラー形式と一致することを示した.
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