研究概要 |
研究代表者は近年、一般デデキント和と3次元多様体あるいは結び目の位相不変量との関連を研究している.たとえば一般デデキント和は二橋結び目のコンウエー多項式にも出現するのであるが、その具体的な形は論文「Explicit formulae for two-bridge knot polynomials, J.Aust.Math.Soc. 78(2005), 149-166」において与えられた。 一般デデキント和はその相互法則が多項式で表せる時が、特に重要である。そこで多項式相互法則を持つ一般デデキント和にはいかなるものかを研究し、その結果を論文「Dedekind symbols with reciprocity laws, Math.Ann. 329 (2004), 315-334」に発表した。 一般デデキント和は、保型形式(尖点形式)およびその周期多項式と自然な1対1対応をもつことが知られているが、今回保型形式およびその周期多項式に対するヘッケ作用と互換性をもつようなヘッケ作用が一般デデキント和にも定義できることを発見した。その結果の系として、保型形式のヘッケ作用を明示的に表示することに成功した。これらの結果は論文「Heck operators on weight Dedekind symbols, J.reine angew.Math. 593 (2006) 1-29」 および「Explicit formulas for Hecke operators on cusp forms, Dedekind symbols and period polynomials, J.reine angew.Math. (印刷中)」に発表された。 研究分担者は、ブラニアン絡み目の不変量が局所変形によりどう変化するかを研究してきた。結び目理論と低次元多様体の研究集会に出席し研究発表を行い、共著論文(Classification of n-component Brunnian links up to C_n-move, Topology Appl. 153 (2006) 1643-1650」においてその結果を発表した。
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