研究課題/領域番号 |
16540113
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
数学一般(含確率論・統計数学)
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
宮原 孝夫 名古屋市立大学, 大学院経済学研究科, 教授 (20106256)
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研究分担者 |
三澤 哲也 名古屋市立大学, 大学院経済学研究科, 教授 (10190620)
茨木 智 名古屋市立大学, 大学院経済学研究科, 助教授 (10252488)
藤原 司 兵庫教育大学, 学校教育学部, 助教授 (30199385)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2004年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 数理ファイナンス / オプション価格理論 / 非完備市場 / 幾何レヴィ過程 / 同値マルチンゲール測度 / 相対エントロピー / カリブレーション / 幾何安定過程モデル / マルチンゲール測度 / マルチンゲール測定 |
研究概要 |
本研究においては、数理ファイナンス理論の中で基本的な研究課題の一つである「非完備市場のオプション価格理論のための典型的なモデル構築」を目指す研究の一環として、幾何レヴィ過程(geometric Levy process)とMEMM(minimal entropy martingale measure)に基づくオプション価格理論モデル[GLP & MEMM]を構築し、具体的に適用可能な形に整理し、さらにこのモデルの有効性を理論および実証の両面から検証した。 このモデルの基本構造は本研究に先立つ我々の研究の成果としてほぼ確立されており、本研究ではこれらの成果を踏まえてモデルを実用的に適用可能な形にした上で、このモデルの有効性を、1)理論的な視点、2)シミュレーションの手法、3)市場のデータを使った実証分析、の3つの角度から検討した。その結果、以下に述べるようにかなりの程度満足できる結果が得られた。 まず理論的な視点からの検討の結果としては、MEMMがかなり広い対象に対して存在することがすでに示されているが、さらにMEMMをリスク中立測度として採用することの経済学的及び数学的な意味づけの強化が種々の面からなされた。さらにモデル適用法の全体像が示され、カリブレーションの方法も確立された。その上に立って、このモデルがVolatility smile/skew現象を非常によく説明しうるモデルであることを、シミュレーションの手法により示した。これに続いてオプション価格の市場データを使った実証分析を行い、このモデルが激しい価格変動をする原資産過程を対象としたオプションの価格算定のモデルとして市場のデータに対して非常に優れた適応性を持っていることが示された。 上のような研究・分析の過程で、特に[GSP(Geometric Stable Process) & MEMM]モデルが理論的な視点からも実証的な視点からも非常に優れたモデルであることが示された。幾何安定過程(Geometric Stable Process)が原資価格過程のモデルとして重要なプロセスであると認識されながらも、これに対する適切なオプション価格付けの理論としては、満足のいくような形で提案されたものはこれまで無かった。これに答え得るモデルとして[GSP & MEMM]モデルが確立されその優れた性質が実証的に示されたことは、本研究の非常に優れた研究成果であると言えよう。
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