研究課題/領域番号 |
16540148
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
基礎解析学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
竹井 義次 京都大学, 数理解析研究所, 助教授 (00212019)
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研究分担者 |
小池 達也 京都大学, 大学院・理学研究所, 助手 (80324599)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2005年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2004年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 高階パンルベ方程式 / 完全WKB解析 / 野海・山田方程式系 / Stokes幾何 / 仮想的変わり点 / インスタントン型形式解 / Birkhoff標準形 / 構造定理 / 高階Painleve方程式 / Lax Pair / Stokes図形 / 変換論 / 第1Painleve方程式 |
研究概要 |
高階パンルベ方程式に対する完全WKB解析を確立することを目的に、 1.高階パンルベ方程式とそれに付随するLax pairのStokes幾何の解析、 2.高階パンルベ方程式に対する自由パラメータを含んだ形式解の構成、 3.(単純)変わり点における構造定理の確立、 という3つの課題に取り組み、それぞれ次の成果が得られた。 まず1.のStokes幾何の解析に関しては、Lax pairの構造が最も簡明なI型の高階パンルベ方程式の階層に対して、Stokes図形の完全な記述が得られた。他方、大学院生の佐々木俊介君が指摘したように、Lax pairのサイズが大きい野海・山田方程式系の場合にはLax pairの仮想的変わり点等も非線型方程式のStokes図形の決定に関与してくる。この問題については、本多尚文(北大理)氏を中心として始まった共同研究により、「tree構造」といったグラフ理論的な言葉を用いてこうしたLax pairの仮想的変わり点やnew Stokes curveが果たす役割を表現できることがほぼ明らかになった。 次に2.については、2階の場合に用いたHamilton系のBirkhoff標準形への変換を利用する方法を高階方程式にまで拡張することにより、インスタントン型形式解を構成することに成功した。これにより、I型方程式の階層のようにHamilton系としての表現が知られている高階パンルベ方程式に対して、自由パラメータを含んだ特異摂動型の形式解が得られた。 最後に3.の構造定理に関しては、付随するLax pairのサイズが2の揚合に得られていた第1種の単純変わり点における自由パラメータを含まない形式解に対する構造定理を、Lax pairのサイズが大きい野海・山田方程式系にまで拡張した。 今後は、高階パンルベ方程式の接続問題を具体的に解くために、自由パラメータを含む形式解に対する構造定理の確立、特に第2種の変わり点における解析が重要な課題となるであろう。
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