研究概要 |
この研究では,次のような非線形退化楕円型偏微分方程式を考察した. -g(|x|)Δu+u|u|^p-f(|x|)=0∈R^N(1) ここでgは非負で無限遠点の近傍におけるオーダーが本質的にはl>2次の多項式で必ず零点を持つものとする.pは1<p<∞なる実数とする.研究課題内にある退化とはgが零点を含んでいる事を意味している.f(|x|)もこの研究では,無限遠点の近傍において本質的に多項式であるとする. 我々は(1)の方程式のR^N全体で連続な粘性解に興味を持った.R^N全体で連続な粘性解は,もしgの零点が有界とすれば無限遠点の近傍において連続以外の条件を何も課していない為,解は唯一つとは限らない.その為解が無限個存在する可能性がある.その連綿な粘性解の構造の解明を研究の目的とした.g, fは球対称な関数であるので球対称解の構造にも研究の対象であるが,特に,非球対称解は存在,非存在は興味深く研究した.また非球対称解が存在するとすればその構造はいかなるものであるか特に興味があった. この研究において,これらの疑問に対しR^N全体で連続な球対称な粘性解はR^1同相であることがわかりほぼ完璧にその構造がわっかた.また,非球対称解に関しては空間次元に二次元の制限またgfにも制限はつくが,どのような場合存在しまた存在しないかの判定はでき,存在する場合の非球対称解の構造もほぼわかっiたといえるまで解析が行えた.またこの結果は一般的なgf,一般次元への拡張にも一定の指針を与えるものであったと考える.
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