研究分担者 |
柴 雅和 広島大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70025469)
山田 陽 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (60126331)
柳原 宏 山口大学, 工学部, 助教授 (30200538)
柳 研二郎 山口大学, 工学部, 教授 (90108267)
幡谷 泰史 山口大学, 理学部, 助手 (20294621)
森本 光生 国際基督教大学, 教養学部, 教授 (80053677)
加藤 崇雄 山口大学, 理学部, 教授 (10016157)
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研究概要 |
Rをリーマン面とし,ΓをRの自己等角写像からなる群でRに真性不連続に作用しているとする。Γに対するR上の双曲的極大領域は,双曲計量に関わるある極値問題を解くことにより得られる。それらの領域は,R上のΓ不変な有理形二次微分と密接な関係があることが知られている。この事実から,新しい領域族,すなわち,Γ円形化可能領域のなす族を導入した。そして,これらの領域は興味深い性質を多く持っていることを示した。まず,Γ円形化可能領域Dは常に単連結であることを証明した。その境界∂Dは,1点に退化しなければ,幾何学的1-複体である。実際,∂Dは,R上のΓ不変なある有理型二次微分の水平軌道と臨界点で構成されている。領域Dは,コンパクトでなければ,Dのある点pが存在して,pの等方部分群に関し正確に不変であることも示される。 さて,Γに対する双曲的極大領域は,Γ円形化可能である。双曲的極大領域の興味深い性質の多くはそれが円形化可能であることに起因していることが分かる。そして,Γ円形化可能領域がΓに対する双曲的極大領域になるための必要十分条件を与えた。 次に,双曲的極大領域を定義する際に用いられる極値問題を一般化し,一般化された双曲的極大領域を定義した。Γに対する一般化された双曲的極大領域も,Γ円形化可能である。上と同様に,Γ円形化可能領域がΓに対する双曲的極大領域になるための必要十分条件を与えたが,この特徴付けから,一般化された双曲的極大領域の方が,Γ円形化可能領域とより密接に結びついていることが知られる。
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