研究概要 |
[1]Clarkson型およびHanner型不等式を考察し,バナッハ空間の幾何学的性質を特徴付けた。 (1)Strong random Clarkson不等式を拡張し,この不等式の成立する空間をp-uniformly smoothな空間,またstrong type pの空間として特徴づけた。(これらに含まれる絶対定数はすべて一致。) (2)重み付きHanner型不等式を導入し,この不等式の成立する空間を2-uniformly smooth及び2-uniformly convexな空間として特徴づけた。重みの位置を変えることにより,p-uniformly smooth及びq-uniformly convexな空間を特徴付けた。Lpに対して重み定数の最良値を決定した。また,Hanner型不等式における双対性を示した。 (3)一般のバナッハ空間においてsharp triangle inequalityとその逆不等式を与えた。 [2]バナッハ空間のψ直和の幾何学的性質について次の結果を得た。 (1)Smoothness, weak nearly uniform smoothness, WORTH property,またSchur property等を特徴づけた。これを用いてuniformly non-squareでないが不動点性を持つ空間の例を与えた。 (2)ψ直和のuniform non-l^n_1-nessについて研究を進め,とくにextreme caseであるl_1-直和およびl_∞-直和について一連の結果を得た。 [3]バナッハ空間の幾何学的定数,Property Mと不動点性の関係,またBanach-Mazur distanceとsuper-reflexivity等の関係について一定の結果を得た。
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